コーヒー焙煎の本

コーヒー焙煎についてはわたしは、5年前に東京産機の小さな焙煎機を買って3年間、独学で焙煎を始めたのが最初です。その後、富士の1kg機で1年、ギーセン2kg機で1年間焙煎してきました。焙煎について書かれている専門書もそれほど多いわけではないですが焙煎の知識は本から学んでいきました。

今回はそんなコーヒー焙煎の本について紹介したいと思います。

日本の焙煎の本

日本の焙煎の本
日本語で書かれた焙煎の本。10冊もありません。専門性が高いためか?作っても需要がないためか驚くほど少ないです。

専門性の高い焙煎の本

コーヒー焙煎の本

焙煎の本の中でも専門性の高いグループ。特に「Coffee Fanatic三神のスペシャルティコーヒー攻略本」はこれまでになかった解説がなされており日本の焙煎本では唯一無二の存在。ややわかりにくい箇所もありますが焙煎を日常業務としていれば概ね理解できる内容かと思います。ネットで買えなかったため新百合ヶ丘の著者のお店へ伺って買わせていただきました。

「コーヒー焙煎の科学と技術」は学術的な検証データが掲載。本というよりは研究論文で、コーヒーの酸や前駆物質などについて細かく書かれています。入手は困難で現在では数万円〜数十万円のプレミア本となっております。最近読んだ本で「やせる! ボケない! メンタルが強くなる! 人生を変えるコーヒーの飲み方」という本ではアメリカ人の医学博士が実際にコーヒーに含まれるクロロゲン酸が人間に及ぼす抗酸化作用が事例とともに紹介されています。日本の「コーヒー焙煎の科学と技術」などでは単なる論文発表にとどまっていますがこのアメリカ人の本では机上の空論で焙煎している側ではな 焙煎されたコーヒーを実際に飲む側からの応用、実用本として人体的にどう影響を及ぼすのかがわかりやすく解説されています。

「田口護の珈琲大全」「スペシャルティコーヒー大全」は写真や図版が豊富でわかりやすく書かれてはいますが、実際に焙煎業務として仕事にしている人ではないと理解できない内容でもあります。

マニュアル本的な焙煎の本

「カフェバッハコーヒー焙煎の技術」、「珈琲焙煎の書」はいずれも本というよりかは著者の出している焙煎機のマニュアル的な部分は幾分特定の環境に偏った内容と感じますが、焙煎については大変勉強になります。小型熱風式焙煎機で焙煎している店には出向いてコーヒーを飲んだり豆を買わせていただきテイスティングしました。熱風式焙煎機の味がどんなコーヒーであるかが学習できました。

五体の機械
富士珈機の本。本というよりかは富士ローヤルのブランディングマニュアルです。富士の焙煎機を使っている人やこれから富士ローヤルの機械を買おうとしている人にとってはバイブルとなるでしょう。すごくいい本です。富士ローヤルの焙煎機を買う時は安易にネットで安いのを探すのではなくメーカーに出向いて試用して買うのをお勧めします。各焙煎機メーカーさんにはぜひこのようなバイブルを作っていただきたいです。

初心者向け焙煎の本

焙煎初心者向けの本

これら2冊は焙煎をしたことがない人も楽しめる本。「東京コーヒーロースターズ」は雑誌的な内容。「ホームコーヒーロースティング」はメジャーな出版社の編集によるものだけあってスラスラ読める本です。これから焙煎を趣味で始めようとする人向けと感じました。

焙煎の本
「人気店のコーヒー焙煎」、「The Coffee professional」は、飲食系専門の出版社だけあって焙煎経験者向けの内容ですが、各ロースターについて取材をした上で詳しく焙煎データなども紹介しており読み応えがあります。

コーヒー良書

焙煎良書

焙煎についてはそれほどページを割いてはいませんが「THE STUDY OF COFFEE」はコーヒーについて体系立ててわかりやすく解説されています。個人的にはこれまで日本で出版されたコーヒー本の中でベストだと思います。「コーヒーこつの科学」「知りたい食べたい熱帯の作物コーヒー」は同じ著者で、特に絵本のような「コーヒー」はルビ入り小学生向けの内容ですが目から鱗の本で「コーヒーこつの科学」と合わせて読むことをおすすめします。絵本にはフライパンでの焙煎の仕方が写真で載っているので子供でも楽しめます。

その他、日本でこれまでに出たコーヒーの本はほとんど持っていますがここでは割愛させていただきます。焙煎教室では受講者の属性に合わせておすすめの本を紹介しています。

コーヒー資格

SCAJマイスター
日本のコーヒー協会の一つであるSCAJコーヒーマイスター資格を受験する際に学習するマニュアル。コーヒーの歴史から産地、流通まで学びます。合格するには全部覚えなければなりませんので自然とコーヒーの知識が身につきます。焙煎のページでは図解入りで基礎から焙煎機の構造、生豆の化学変化までが書かれていますのでわかりやすい。

海外の焙煎の本

海外の焙煎本
近年焙煎本を2冊出しているSCOTT RAO/アメリカの本を紹介します。

SCOTT RAO

COFFEE ROASTING by SCOTT RAO
スコットラオの本の中では「RORを投入から排出までスムースに下げる」という理論を実例プロファイルで紹介しています。2014年に出版された「THE COFFEE ROASTER’S COMPANION」に続き2019年出版の「COFFEE ROASTING」では詳細に焙煎事例を展開。序文、序章の冒頭で、

「2014年に The Coffee Roaster’s Companion (以下CRC) を執筆したとき、焙煎に関する自分の考えをどのように表現すればよいかわかりませんでした。当時、プロの焙煎に関する本はありませんでした。コーヒー業界には、焙煎について生産的な議論を行うために必要な共有語彙や理解が不足しており、ほとんどの焙煎業者は、おそらく秘密を漏らしたり、間違っていることを恐れたりして、自分の考えを共有することをためらっているようでした。


ほとんどの読者がどれだけの知識や経験を持っているか確信が持てなかったので、あらゆるレベルのロースターに役立つことを願って、CRCを書きました。過去4年間で、世界中の焙煎業者は、デベロップタイム比率や一定の上昇率 (ROR) の低下など、CRCの概念を採用しており、グループとして、焙煎についてこれまで以上に一貫した実践的な会話をしています。


私がCRCを書いたとき、私は約100台の焙煎機を使用していました。この記事を書いている時点で、私は 300 台をはるかに超えるマシンを使用し、さらに数百台の焙煎データを分析しました。その幅広い経験が、ほんの一握りの機械を使用しただけでは不可能だった焙煎に関する高度なアイデアを形成するのに役立ちました。この本は私の経験の産物であり、私が学んだことをあなたと共有することで、あなたの焙煎スキルが役立つことを願っています。」

と語っています。内容については詳しくは触れませんが豊富な事例をプロファイルグラフダイアグラムで紹介しています。

Roast magazine

ROAST MAGAZINE
アメリカには他に焙煎専門雑誌「ローストマガジン」があります。季刊誌として年4回発行されていて当店では約5年分ストックしてます。同じ出版社で出している電話帳のように分厚い「The BOOK of ROAST」は焙煎機の中世の歴史なども紹介されており興味深い。

TheBookOfRoast

機械、創意工夫、発見/焙煎設備の歴史


コーヒーがいつ頃焙煎されたのかはわかりませんが、その光景は容易に想像できます。火に炙った石の皿の上で珈琲生豆がカラメルになるにつれて茶色に変わり、豆がパチパチと弾けると、ふわっと香ばしい香りが漂ってきます。そこにはたくさんの好奇心旺盛な人たちが集まってきたことでしょう。


このように初期の焙煎は火の上の単純な容器から始まりました。時代を超えて、コーヒー愛好家は豆を焙煎する新しいより効率的な方法を発明し続けてきました。そして焙煎機は、産業時代の革新的なデザインに取って代わられました。


今日、焙煎会社は完全に自動化された機械を使用しておりますが、1世紀前からもコーヒーを飲む人の頭を悩ませていたことでしょう。私たちは、コーヒー豆を一貫してより高品質に焙煎するという単純なプロセスを達成するために、洗練されたコンピューター制御の機械を発明し、作成しました。


珈琲焙煎の開発がどのように展開されたかを発見し、焙煎の歴史におけるマイルストーンを特定し、製造業者が市場の要求にどのように反応したかを調べてみましょう。焙煎機の歴史を詳しく見てみると、過去と現在の両方で、最適な焙煎プロセスの探求にどれだけの専門知識と独創的な才能が注がれてきたかがわかります。

で、始まります。18世紀の古い銅版画での焙煎機から最新のプロバット焙煎機の写真も交えてワクワクする内容です。

海外の焙煎本
その他、SCAで出している「グリーングレーディング」の本やレキシコンセンサリー資料など。主に生豆鑑定のための教則本です。焙煎について書かれているわけではありませんが国際的コーヒー研究機関「コーヒークオリティインスティチュート」による生豆鑑定の資格であるQグレーダーのトレーニング時にいただきました。トレーニング時にはコーヒー焙煎の基本的なことを学びます。

コーヒー焙煎の勉強会

ギーセンジャパン
9月にギーセンジャパンにてプロファイルを共有しながら焙煎した豆をプレゼンテーションするという機会がありました。去年ギーセンの焙煎機を買う際にそうした場をいずれ作ると聞いていたのでさっそく参加しました。参加資格は業務として日常焙煎に関わる者。

会の目的は「自身の焙煎手法の言語化と他の焙煎者の焙煎手法の共有により新たな焙煎手法のきっかけを作る」というこれまでになかった趣旨の場でした。ナチュラル精製の豆を煎りを浅めにして持参するという条件で8名が参加しました。
ギーセンジャパン
他の焙煎者のプロファイルと焙煎豆のカッピングができ、非常に有意義で素晴らしい勉強会でした。本を読むよりも他の焙煎者のプロファイルと話を聞いて実際にカッピングした方が面白いし最高の実践の場でした!

ギーセン6kg機や富士5kg機などの参加者でしたが同じ2kg機ユーザーがいませんでしたので同じ環境の焙煎者がいればもっと良かったと思いました。