フレーバーホイール考

珈琲のフレーバー

コーヒーには、基本的な味覚である「苦みのある」「酸味のある」といった表現などを使うことがあります。当店ではメニューには最低限の言葉と表現しか示していませんが、口頭では「チョコレート」「ナッツ」「キャラメル」や「ベリー系」「柑橘系」の果物や、「シナモン」や「ハーブ」といったスパイス、あるいは「ジャスミン」「ハニーサックル」など花の風味に例えて説明することもあります。

テイスティング

当店では焙煎ごとにSCAのルールに沿ったテイスティングを行なっており豆ごとにフレーバーの特徴を記述しています↓。
コーヒーテイスティング

コーヒーフレーバーホイールとは?

では、それらのコーヒーの味を表す単語や形容詞はどこから来ているのでしょう?それは、ワインやウイスキーなどの風味を表すのにも使われる風味リストを円グラフ状に表した「フレーバーホイール」というのがあり、同じようなコーヒー版のSCA(米国スペシャルティコーヒー協会) のフレーバーホイール (Coffee Taster’s Flavor Wheel) を利用するのです↓。
SCAフレーバーホイール

原盤は英語で作られております。
SCAフレーバーホイール

日本ではネットでも翻訳したPDFが出回っていますが、細かく見ていくと誤訳があります。そこで、当店独自にイラストレータでデータ化し、オリジナルフォントでリデザインして使っています。焙煎教室時に配布しています↓。
SCAフレーバーホイールローカライズ

最新版フレーバーホイール?

このフレーバーホイールは2016年にSCAで公開された最新版だそうですが、基本的には焙煎した豆を評価するためのもので、上記画像のように一般的にはあまり経験することのないディフェクトやテイントなどネガティブな表現も含まれています。そうした表現は日常の焙煎業務ではほとんど使わないし販売する豆にもあってはならない言葉が並んでいます。また、よく使う表現などでは足りない言葉もあり使い勝手はあまり良くないです。

古いフレーバーホイールを使う

新しいフレーバーホイールはスタイリッシュでオシャレなのですがイマイチ使い勝手がよくなかったため、Qグレーダーのトレーニングでも学習した古いフレーバーホイールを見直すことにしました。新しいものよりも項目が多く、コーヒーのポジティブなフレーバーを表すものとネガティブな汚染や欠点を表すものが完全に2つに分かれています↓。
フレーバーホイール

Qグレーダーで使うフレーバーホイール

新しいフレーバーホイールよりも倍の情報量があり非常にわかりやすい。特にオルファクトリーに対応した、「Enzymatic」「SuggarBrowning」「DryDistillation」「AromaticTaints」に分かれており生豆由来、焙煎由来などから来るフレーバーが理解しやすい。ただしデザインが古くさく感じます。そこでベースにして新しくデザインし直すことにしました↓。
フレーバーホイール

オリジナルは横に並んでいて枠線が黒でしたが、縦に並べ替えて枠線を白ヌキに。カナモジカイ由来の英語のデザイン要素を持つカタカナ表記による日本語ローカライズ。デザインがかなりブラッシュアップされました↓。
フレーバーホイール

ディフェクト要素は細かく分類されています↓。
フレーバーホイール

欠点だけを集めたフレーバーホイール。詳細な分類ですがよくよく見ていくいとわかりやすいです。翻訳は精査したため精度は高いです↓。

フレーバーホイール

この古いフレーバーホイールは、生豆から焙煎しコーヒーを抽出してカッピングするまでの流れに沿って理解できるダイアグラムなため、鑑定方法がわかっている方にとっては非常に便利なフレーバーホイールかと思います。ただ、よほどのことがなければ出現しないネガティブな要素が多いです。

カウンター・カルチャー・コーヒーのフレーバーホイール

上記2つはコーヒーの国際的な公的機関であるSCA (米国スペシャルティコーヒー協会) によるフレーバーホイールですが、海外でも日本でも時々、オリジナルのフレーバーホイールを目にします。入手できる範囲では全て保存していますがその中から優れた使い勝手の良いフレーバーホイールを基にローカライズすることにしました。

使いやすさ重視のフレーバーホイール

Counter Culture Coffeeで配布しているデータを基に一から全部イラストレータで描き起こしました。フレーバーは細かい要素で分岐されており、日本語データ化するのは大変な作業でした↓。
CCCのフレーバーホイール

単語以外にも表現の強弱形容詞も表されており使い勝手が良い↓。
カウンターカルチャーコーヒーのフレーバーホイール

前述のカナモジカイ由来オリジナルフォントで日本語イラストレータ化。昭和時代に現在の伊藤忠商事創始者伊藤忠兵衛などを中心として盛り上がった日本語から漢字をなくしてカタカナ表記に統一しようとする運動の中で生まれたカナモジカイフォント。スクエアな枠に収まる日本語を上下に強弱をつけたアルファベットのような形状を持つカタカナです。一つ一つはアンバランスなデザインでも単語や文章として配列された時に読みやすくなるフォントです。しかも格好が良い↓。

カウンターカルチャーコーヒーのフレーバーホイール

Counter Culture CoffeeのフレーバーホイールがSCAと異なるのは、要素が全てポジティブであること。欠点要素がありません。スパイス系やロースト系も普段のカッピングでよく使う用語が多様。特に「Soy Sauce」醤油など、最近ゲイシャ系の豆で明らかにどう焙煎しても味噌&醤油味フレーバーが出現するのがあり基本的に海外で考案されたフレーバーホイールは和風なものは含まれないのかな?と思っていましてオリジナルで作ろうかとも考えていましたのでちょうど良かった↓。

フレーバーホイール

ドライフルーツ系、チョコレート系、ベリー系も充実↓。

ベリー系

 

フローラル系も充実。リンゴと梨、スイカとメロンが同じフレーバーグループというのがやや疑問が残りますが、忠実にローカライズ&リデザインしています↓。

フレーバーホイール

フレーバーホイールは見方がわからないと持っていても意味がありません。当店の焙煎教室では焙煎から抽出まで、具体的にフレーバーホイールはどう使うのかまで学習します。