コーヒーフレーバーホイール

珈琲のフレーバー

珈琲のフレーバーホイールってなーに?
フレーバーホイールは珈琲の鑑定をする時に使うものだよ。珈琲の味を表現する際、フルーティ、ベリー、スパイス系といった大雑把なカテゴリーから詳細なカテゴリーまで網羅されている円グラフ状のシート。
販売はしてないの?
販売はしてないけど、焙煎教室を受けた人に無料で差し上げているよ。オリジナルを基に精度の高い日本語訳をしたデータを完璧に作り上げているのでザグリ珈琲でしか手に入らない貴重な資料。

コーヒーには、基本的な味覚である「苦みのある」「酸味のある」といった表現などを使うことがあります。「チョコレート」「ナッツ」「キャラメル」や「ベリー系」「柑橘系」の果物や、「シナモン」や「ハーブ」といったスパイス、あるいは「ジャスミン」など花に例えることもあります。

次からはフレーバーホイールについて解説してみました。持っていても使い方がわからないと宝のもちぐされ。焙煎教室では具体的な使い方をわかりやすくレクチャーしてるよ。

テイスティング

当店では焙煎ごとにSCAのレギュレーションに準拠したカッピングをベースにしたテイスティングを行なっており豆ごとにフレーバーの特徴を全て記録。CQIのQグレーダー プログラムで学んだ手法を基に更に正確性と日常業務での汎用性を考慮してスコアリングしています↓。
cuppingform

コーヒーフレーバーホイールとは?

SCAフレーバーホイール

コーヒーの官能評価は、古くは1922年のukerの著書「All About coffee」内でカップテストとして始められていました。カップテストを行う人は「カッパー」と呼ばれカップを介してテストすることを「カッピング」と云います。カッピングは見習い制度を介して非公式に教えられ、生豆業者や焙煎業者に限定されているものでした。1960〜70 年代のコーヒーの品質と鮮度に重点を置いたスペシャルティ コーヒー運動の出現により、古い習慣に新たな関心がもたらされました。 新興企業は、規模は小さいものの、サンプル ロースターやカッピングテーブルに投資し、それまで大規模なトレーダーやロースターに限定されていたスキルを実践するようになりました。 1984年、アメリカ スペシャルティコーヒー協会 (SCAA) のテッドリングルは、コーヒーカッパーズハンドブックの初版を書きました。これは、コーヒーの官能分析に大きな革命をもたらしました。コーヒーのテイスティングは、誰でも実践して学ぶことができるテクニックだが、「体系的かつ厳密でなければならない」という考えを強調するものでした。この研究でリングルは、急成長しているセンサリー科学の分野からの洞察を統合し始め、ローズ マリー パンボーンの出版物を参考に、コーヒーのフレーバーを説明する約150 の用語を含むコーヒーの初期の「原語辞書(proto-lexicon)」を導入しました。
sensorylexicon

当店ではSCA最新フレーバーホイールを独自にイラストレータでデータ化し、ローカライズ&オリジナルフォントでリデザインしています。焙煎教室時に印刷物で共有しています↓。
SCAフレーバーホイール

1996年のフレーバーホイールを使う

新しいフレーバーホイールに不足している部分は古いフレーバーホイールを使います。新しいものよりも項目が多く、コーヒーのポジティブなフレーバーを表すものとネガティブな汚染や欠点を表すものが分岐されています↓。
フレーバーホイール

Qグレーダートレーニングで使うフレーバーホイール

古いフレーバーホイールは「Enzymatic」「SuggarBrowning」「DryDistillation」「AromaticTaints」に分かれており生豆由来、焙煎由来などから来るフレーバーが理解しやすい。内容はそのままに新しくデザインし直すことにしました。

オリジナルは横に並んでいて枠線が黒でしたが、縦に並べ替えて枠線を白ヌキに。カナモジカイ由来の英語のデザイン要素を持つカタカナ表記による日本語ローカライズ。デザインがかなりブラッシュアップできました↓。

2023flavorwheel1

欠点だけを集めたフレーバーホイール。詳細な分類ですがよくよく見ていくいとわかりやすいです。翻訳は精査したため精度は高いです↓。

2023flavorwheel2

このフレーバーホイールは、生豆から焙煎しコーヒーを抽出してカッピングするまでの流れに沿って理解できるダイアグラムなため、鑑定方法がわかっていれば非常に便利なフレーバーホイールかと思います。ただ、よほどのことがなければ出現しないネガティブな要素が多いです。

民間のフレーバーホイール

上記2つはコーヒーの国際的な公的機関であるSCA (米国スペシャルティコーヒー協会) によるフレーバーホイールですが、海外でも日本でも時々、オリジナルのフレーバーホイールを目にします。SCAでは民間のフレーバーホイールも認めていますので独自のフレーバーホイールをデザインすることも可能です。入手できる範囲では全て保存していますがその中から優れた使い勝手の良いフレーバーホイールを基にローカライズすることにしました。
Counter Culture Coffeeで配布しているデータを基に一から全部イラストレータで描き起こし日本語データ化しました。フレーバーは細かい要素で分岐されています↓。
CCCのフレーバーホイール

単語以外にも表現の強弱形容詞も表されており使い勝手が良い↓。
カウンターカルチャーコーヒーのフレーバーホイール

前述のカナモジカイ由来オリジナルフォントで日本語イラストレータ化。昭和時代に現在の伊藤忠商事創始者伊藤忠兵衛などを中心として盛り上がった日本語から漢字をなくしてカタカナ表記に統一しようとする運動の中で生まれたカナモジカイフォント。スクエアな枠に収まる日本語を上下に強弱をつけたアルファベットのような形状を持つカタカナです。一つ一つはアンバランスなデザインでも単語や文章として配列された時に読みやすくなるフォントです。しかもデザイン性が優れています。

カウンターカルチャーコーヒーのフレーバーホイール

Counter Culture CoffeeのフレーバーホイールがSCAと異なるのは、要素が全てポジティブであること。欠点要素がありません。スパイス系やロースト系も普段のカッピングでよく使う用語が多様。特に「Soy Sauce」醤油など和風なフレーバーも並びます↓。

フレーバーホイール

ドライフルーツ系、チョコレート系、ベリー系も充実↓。

ベリー系

 

フローラル系も充実。リンゴと梨、スイカとメロンが同じフレーバーグループ。忠実にローカライズ&リデザインしています↓。

フレーバーホイール

フレーバーホイールは見方がわからないと持っていても意味がありません。当店のアドバンス焙煎教室では焙煎から抽出、フレーバーホイールの活用の仕方まで学習します。

フレーバーツリー

SCAフレーバーホイールを素にしたフレーバーツリー。色はホイールと対応させ★印がポジティブなフレーバーとした試作ダイヤグラム。

進化型フレーバーホイール

コーヒーの教科書などを出している出版社のフレーバーホイール。酸味、甘味、塩味に加えて苦味、うま味まで網羅しています。ワインソムリエ資料ではこれに「コク」が加わり人間に知覚できる味覚とされますが、珈琲の場合は「ボディ」=「コク」と表現されマウスフィールカテゴリに分類されておりアストリンジェン(渋味)などと同列で示されます。ディスクリプションがないシンプルなホイールですがよく見ると温度帯の高低、抽出時間によるフレーバーの違いまでをも表しています↓。
flavourwheel

coffeemind製のシンプルなこのフレーバーホイールは、酸味、甘味、塩味、うま味が同列表示されています。日本語の旨味は英語化されています。

SCA公式コーヒーフレーバーホイール

総括として最新版の英語表記が一番使いやすいです。シンプルで色わけが直感的です。日本語化しておいて言うのもなんですが英語版のシンプルな公式フレーバーホイールがベスト。この公式フレーバーホイールを基準として補足的にその他のフレーバーホイールを参考にしています。
SCAフレーバーホイール

SCAフレーバーホイールの翻訳の中でわかりにくかったバニラとバニリンの違いがわかりました。先日国際見本市会場で国内外のスイーツに関するイベントがあり、海外のフレーバー関連企業が出展しておりバニラ専門商社の方から教えていただきました。日本では馴染みのないナッツやスパイスなども扱う会社も出展しており大変勉強になりました。様々なバニラ品種をテイスティングさせていただき同じバニラでも違いがあるのがわかりました。香りなどのフレーバーに関しては書籍やネットなどで知ることは不可能で、経験しないと表現不可能です。 バニラは蘭科の植物でマダガスカル産などが有名ですが世界中で多くの品種が栽培されています。最近では日本でも沖縄産などがあります。しかし中には毒性を持つ品種もあり国際基準で食用として認められているのはプラニフォリアとタヒテンシスの僅か2種類だけだそうです。

よって食用としての解釈からバニラの翻訳を「プラニフォリアとタヒテンシス」としました。プラニフォリアはブルボンバニラとも云われ、現在主要なバニラ生産地であるマダガスカル島沖に位置するレユニオン島(旧称ブルボン島)由来、タヒテンシツはタヒチ島由来の品種です。バニリンとは「バニラの種と種の間に含まれるバニラの甘い香りの主成分」のことです↓。
プラニフォリアとタヒテンシス
プラニフォリアとタヒテンシス
焙煎教室ではフレーバーホイールの活用法など。A4版最新フレーバーホイールなど豊富な資料付き。

FAQ〜よくある質問

Q1:フレーバーホイールのデータ販売はしていませんか?
A1:いません。

Q2:フレーバーホイールの使い方を教えてください。
A2:ネットでは説明しません。教室受講者、或いはお客様にのみお教えしています。