2024年06月20日 18:36最新の情報です

コーヒーフレーバーホイール2016

コーヒーフレーバーホイール2016

珈琲のフレーバー

コーヒーには、基本的な味覚である「苦みのある」「酸味のある」といった表現などを使うことがあります。「チョコレート」「ナッツ」「キャラメル」や「ベリー系」「柑橘系」の果物や、「シナモン」や「ハーブ」といったスパイス、あるいは「ジャスミン」など花に例えることもあります。SCAコーヒーフレーバーホイール2016にはそれらのフレーバー要素がFLORAL,FRUITY,SOUR/FERMENTED,GREEN/VESITATIVE,OTHER,ROASTED,SPICES,NUTTY/COCOA,SWEETのGENERAL FLAVORSを中心に円グラフ状の法則性に従って構成されています。


コーヒーフレーバーホイールとは?

SCAフレーバーホイール

コーヒーの官能評価は、古くは1922年のukerの著書「All About coffee」内でカップテストとして始められていました。カップテストを行う人は「カッパー」と呼ばれカップを介してテストすることを「カッピング」と云います。カッピングは見習い制度を介して非公式に教えられ、生豆業者や焙煎業者に限定されているものでした。1800〜70 年代のコーヒーの品質と鮮度に重点を置いたスペシャルティ コーヒー運動の出現により、古い習慣に新たな関心がもたらされました。 新興企業は、規模は小さいものの、サンプル ロースターやカッピングテーブルに投資し、それまで大規模なトレーダーやロースターに限定されていたスキルを実践するようになりました。 1984年、アメリカ スペシャルティコーヒー協会 (SCAA) のテッドリングルは、コーヒーカッパーズハンドブックの初版を書きました。これは、コーヒーの官能分析に大きな革命をもたらしました。コーヒーのテイスティングは、誰でも実践して学ぶことができるテクニックだが、「体系的かつ厳密でなければならない」という考えを強調するものでした。この研究でリングルは、急成長しているセンサリー科学の分野からの洞察を統合し始め、ローズ マリー パンボーンの出版物を参考に、コーヒーのフレーバーを説明する約150 の用語を含むコーヒーの初期の「原語辞書(proto-lexicon)」を導入しました。
sensorylexicon
SCAA/CQI/WCR/COEの関連性
2001 年、Paul Katzeff は The Coffee Cupper’s Manifesto を作成しました。これは、コーヒー生産者がコーヒーの官能分析とスコアリングの手法を学び、歴史的にコーヒー価格が低迷している時代に市場支配力とコントロール強化を目的とした文書です。 コーヒーのカッピングによるセンサリー分析は、単純な品質分析手法ではなく、コーヒー市場に力を及ぼす普遍的な言語になる可能性があるというこの考えは、コーヒー業界全体で普遍的なセンサリートレーニングを提唱するきっかけになりました。 この頃、ジョージ・ハウエルは新しいコーヒー官能採点システムと形式を考案し、「COE(カップ オブ エクセレンス)」と呼ばれるコーヒー コンテストで使用され始めました。このシステムは、各国のコーヒー コンテストや受賞コーヒーのインターネット オークションを通じて、コーヒー生産者のエンパワーメントとより良い価格向上を目的としています。 2001 年、Ted Lingle と共同研究者は新しい SCAA カッピング フォームとプロトコルを開発し、SCAA のシステムを更に発展させました。 これにより、最初は SCAA で、次に SCAA が設立した 「Coffee Quality Institute (CQI) 」と呼ばれる団体で、コーヒーのグレーダーとテイスターを教育およびテストするためのプログラムが開発されました。Qグレーダー プログラムと呼ばれるCQIプログラムは、SCAAプロトコルに基づいて世界中のコーヒーテイスターを共通言語をベースにトレーニングすることを目的としています。このプログラムを通じて、何千人ものテイスターが SCAA カッピングプロトコルと100 点満点のスコアリングシステムを学び、普遍的でグローバルなコーヒー官能評価手法を実践し始めました。2008 年、ティム シリング博士が率いるコーヒー研究者のグループは、SCAA の100ポイント コーヒー カッピング テクニックを使用して改善されたコーヒー加工技術を開発するための体系的な研究実験を始めました。この実験は、SCAA カッピング スコアをコーヒーフレーバー記述子にリンクすることは簡単な作業ではないという結果から、「ワールド コーヒー リサーチ (WCR) 」と呼ばれる新しい機関の設立と、センサリー科学の分野からの技術の再調査という2つのことに繋がりました。 コーヒー研究ではめったに採用されていなかった定量的官能記述分析手法がSCAA手法よりも研究に適していることに気づき、エドガー・チェンバーズが率いるコーヒー研究のための正式で科学的な「辞書」を開発するプロジェクトがカンザス州立大学でスタートしました。 1999 年に、ワイン業界が全体的な品質を伝えるために 100 点満点の採点システムを採用したことに触発されて、Lingle と SCAA の協力者は、数学的スコアリング モデルでコーヒーの品質を定量化しました。また同じ頃、アン ノーブルのワインアロマ ホイールに触発され、Lingle は最初のコーヒー テイスターズ フレーバー ホイールを開発しました。
フレーバーホイール
これは、コーヒーのフレーバーを、コーヒーのフレーバーの指標となる視覚的なツールに整理することを目的としていました。1997 年、Jean Lenoir は、コーヒー テイスター向けのアロマ トレーニング キットである Le Nez du Café を開発し、コーヒー業界にとって便利なアロマ リファレンスのセットを提供しはじめました。 これらのツールは、昔ながらのカッピングルームの伝統的な語彙 (「Rioy」、「Baggy」、「Grady」などの専門用語を使用) を感覚科学の新しいアプローチと統合することを目的としています。Qグレーダーの養成所ではこれらのフレーバーホイールやアロマキットを基にトレーニングを行い珈琲のフレーバーについて世界標準珈琲プロトコルとして合宿形式で学びます。

当店ではSCA最新フレーバーホイールを独自にイラストレータでデータ化し、ローカライズ&オリジナルフォントでリデザインしています↓。
SCAフレーバーホイール
コーヒーアロマキット
Le Nez du Café

1995年のフレーバーホイールを使う

新しいフレーバーホイールに不足している部分は古いフレーバーホイールを使います。新しいものよりも項目が多く、コーヒーのポジティブなフレーバーを表すものとネガティブな汚染や欠点を表すものが分岐されています↓。
フレーバーホイール

1995フレーバーホイールは「Enzymatic」「SuggarBrowning」「DryDistillation」「AromaticTaints」に分かれており生豆由来、焙煎由来などから来るフレーバーが理解しやすい。内容はそのままに新しくデザインし直すことにしました。

オリジナルは横に並んでいて枠線が黒でしたが、縦に並べ替えて枠線を白ヌキに。カナモジカイ由来の英語のデザイン要素を持つカタカナ表記による日本語ローカライズ。デザインがかなりブラッシュアップできました↓。

2023flavorwheel1

欠点だけを集めたフレーバーホイール。詳細な分類ですがよくよく見ていくいとわかりやすいです。翻訳は精査したため精度は高いです↓。

2023flavorwheel2

このフレーバーホイールは、生豆から焙煎しコーヒーを抽出してカッピングするまでの流れに沿って理解できるダイアグラムなため、鑑定方法がわかっていれば非常に便利なフレーバーホイールかと思います。ただ、よほどのことがなければ出現しないネガティブな要素が多いです。

民間のフレーバーホイール

上記2つはコーヒーの国際的な公的機関であるSCA (米国スペシャルティコーヒー協会) によるフレーバーホイールですが、海外でも日本でも時々、オリジナルのフレーバーホイールを目にします。SCAでは民間のフレーバーホイールも認めていますので独自のフレーバーホイールをデザインすることも可能です。

Counter Culture Coffeeで配布しているデータを基に一から全部イラストレータで描き起こし日本語データ化しました。フレーバーは細かい要素で分岐されています↓。
CCCのフレーバーホイール

単語以外にも表現の強弱形容詞も表されており使い勝手が良い↓。
カウンターカルチャーコーヒーのフレーバーホイール

カナモジカイ由来オリジナルフォントで日本語イラストレータ化。昭和時代に現在の伊藤忠商事創始者伊藤忠兵衛などを中心として盛り上がった日本語から漢字をなくしてカタカナ表記に統一しようとする運動の中で生まれたカナモジカイフォント。スクエアな枠に収まる日本語を上下に強弱をつけたアルファベットのような形状を持つカタカナです。一つ一つはアンバランスなデザインでも単語や文章として配列された時に読みやすくなるフォントです。しかもデザイン性が優れています。

カウンターカルチャーコーヒーのフレーバーホイール

Counter Culture CoffeeのフレーバーホイールがSCAと異なるのは、要素が全てポジティブであること。欠点要素がありません。スパイス系やロースト系も普段のカッピングでよく使う用語が多様。特に「Soy Sauce」醤油など和風なフレーバーも並びます↓。

フレーバーホイール

ドライフルーツ系、チョコレート系、ベリー系も充実↓。

ベリー系

 

最近SCAの公式サイトでメンバーの方がこのフレーバーホイールを使っているのを見ました↓。

フレーバーホイール

その他フレーバーホイール

コーヒーの教科書などを出している海外の出版社のフレーバーホイール。酸味、甘味、塩味に加えて苦味、うま味まで網羅しています。ワインソムリエ資料ではこれに「コク」が加わり人間に知覚できる味覚とされますが、珈琲の場合は「ボディ」=「コク」と表現されマウスフィールカテゴリに分類されておりアストリンジェン(渋味)などと同列で示されます。ディスクリプションがないシンプルなホイールですがよく見ると温度帯の高低、抽出時間によるフレーバーの違いまでをも表しています↓。
flavourwheel

coffeemind製のシンプルなこのフレーバーホイールは、酸味、甘味、塩味、うま味が同列表示されています。日本語の旨味は英語化されています。



フレーバーホイールのフルーツについて

前述のフレーバーホイールは海外で考案されたものですので日本の果物とは微妙に異なるのでは?と思うことがしばしばあります。例えばストロベリーの甘さの強度が弱かったり、日本のイチゴは甘いので当てはまらなかったりします。日本では幸運なことに四季折々の様々な果物を楽しめます。秋には西洋梨「PEAR」一つとっても山形産のラ・フランスがポピュラーですが新潟産のルレクチェや長野、静岡あたりの西洋梨も出回ります。
西洋梨
フレーバーホイールに記載の柘榴「POMEGRANATE」もそれがアメリカ産なのかイラン産なのかそれとも日本の路地なりの品種でもその酸味の強度は様々です。
ザクロ

柑橘の場合は愛媛など単にORANGEだけでは括れない様々な品種があります。写真は昔愛媛で仕事をしていた時期に柑橘ばかり食べていましたのでその時に分類した写真です↓。
愛媛の蜜柑

ザグリ珈琲の店長は山梨の果樹園農家ですので桃の糖度一つとっても個体によって様々です。この写真は一個ずつ糖度を測ったもの。収穫年の気候によって左右されますがよく晴れた日が続く年の桃は糖度22度オーバーの個体もありました。反対に長雨続きの年は水っぽく糖度が上がりません↓。
糖度22度オーバーの桃

マスカットについては、あまりもに奥が深いためここでは触れないことにします↓。
シャインマスカット

台湾茶のフレーバーホイールに記載の「龍眼」。初夏に日本でも出回るようになりました。フレーバーの感想としては味の薄い「ライチ」。ライチフレーバーだけど強度が弱い場合に使えそうです↓。
龍眼

あとフレーバーホイールに一切記述のない果物の女王と呼ばれるマンゴスチン。タイやベトナムではポピュラーなフルーツですが日本でもようやく2023年からタイ産マンゴスチンが蒸熱処理していない生の状態で輸入されるようになりました。ずっと興味がありましたがようやく日本でも食べれました。タイ産は5〜7月まで楽しめます↓。
マンゴスチン

果物で何が一番好きかと言えば個人的にはパッションフルーツ。その歴史は古く明治時代から沖縄で栽培されていたそう。初夏〜夏にかけて沖縄産、鹿児島奄美産、小笠原産が東京でも楽しめます。個人的には奄美産が一番好きです。マンゴスチンとパッションフルーツ↓。
マンゴスチンとパッションフルーツ

珈琲のフレーバーを学習するには上質なお菓子なども役に立ちます。果物のフレーバーを繊細に封じ込めた村上開新堂クッキー↓。
村上開新堂

手描きフレーバーホイール

SCAオリジナルではFloral>Black TeaがなぜかSweetカテゴリーに倣ってひっくり返っています。多分誤植なのでは?と思いフローラルカテゴリー同様の向きにしました。同じくSTALEとCARDBOARDについても。
ザグリ珈琲フレーバーホイール
手描きフレーバーホイール

2024年型ザグリ珈琲のフレーバーホイール

味と香りを的確に識別し表現するためのツールとして考えた場合2016年と1995年のホイールは単体では足りない部分があります。そこで両方を合体させました。メインは2016年版オリジナルを参照し、アロマとテイストに分岐した1995年版を補足として使います。それぞれのアロマカテゴリーやネガティブ要素、テイスト要素までも網羅しているため最も理に適ったフレーバーホイールであると思います。見方や使い方は当店の浅煎りのお客様や焙煎教室で、A4パネル額装版は謹呈しています↓。
ザグリ珈琲のフレーバーホイール
英語で示した細かい説明書きは次の通り↓。
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焙煎の全範囲を探索する
ザグリコーヒーのプロファイルは信じられないほどの柔軟性をもたらし、あらゆる焙煎の可能性を高い精度で発見することができます。まったく新しいフレーバーとアロマの世界に触れてください。
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