アジアの豆
アジアは、コーヒー豆の生産地としては比較的新しい地域ですが、独自の特徴を持つコーヒーが栽培されています。以下に、アジアのコーヒー豆に関する主なポイントを簡潔にまとめます。
- 特徴的な風味プロファイル: アジアのコーヒー豆は、その風味プロファイルの独自性で知られています。一般的には、フルーティーで芳醇な味わいが特徴であり、独特の香りや酸味を楽しむことができます。アジアのコーヒーは、しばしばエキゾチックで独特な風味を持つと評価されています。
- インドネシアのコーヒー: インドネシアは、アジアで最も有名なコーヒー生産国の一つです。エチオピアに次いでコーヒーの栽培を始めた国でもあります。スラウェシ島はアラビカ種の栽培がほとんどですがスマトラとジャワ島はロブスタの占める割合が多く、スムースで濃厚な味わいと低い酸味が特徴です。
- ベトナムのコーヒー: ベトナムは、世界最大のコーヒー生産国の一つですがロブスタが95%を占めます。ベトナムのコーヒーは、一般的にはロブスタで、独特の豊かなコクと強い苦味が特徴ですが一部良質なアラビカ種も生産されています。特にコンデンスミルクを加えたコーヒーでも有名です。
- その他のアジアのコーヒー: インドやタイ、フィリピン、東ティモール、台湾、オーストラリアなど、他のアジアの国々でもコーヒー生産が行われています。日本でも極少量ですが沖縄と小笠原で作られております。それぞれ、風味や品質に焦点を当てた生産が行われており、個々の国の風土や栽培方法によって異なる特徴を持つコーヒーが生み出されています。
- 持続可能な生産への取り組み: アジアの一部のコーヒー生産者は、持続可能な農業プラクティスや社会的責任を重視しています。生産者は、環境への配慮や労働条件の改善、フェアトレードの実践などを通じて、持続可能なコーヒー産業の発展に貢献しています。
アジアのコーヒー豆は、その独自の風味プロファイルと特徴的な栽培方法により、コーヒー愛好家の間で評価されています。これらの特徴は、アジアのコーヒーを他の地域と差別化しています。
次の図は2022年度における世界のコーヒー豆生産量のアジア地域のランキングです。黒丸の数字がコーヒー全体、緑がアラビカ種、赤がロブスタ種です。
ベトナムは世界第2位ですが95%がロブスタ種です。ザグリ珈琲ではベトナム産のファインロブスタと数少ないアラビカ種を扱います。フィリピンは世界でも珍しくアラビカ、ロブスタ、エクセルサ、リベリカの4種類を生産しておりオークションロットファインロブスタを扱います。中国は2022年のアラビカ生産量ではインドを抜いて9位にランクインしました。特に雲南省が有名ですが海南省、福建省でも作られております。雲南付近をグーグルアースで確認すると新しい珈琲農園が観察できます。ザグリ珈琲で取り扱いがあるのは雲南省産で2023ニュークロップとして、カティモール種のダブルアナエロビックファーメンテーション、トリプルアナエロビックファーメンテーション、ナチュラル、ウォッシュ、ワイン酵母発酵、ティピカ種のウォッシュなど選定中です。
現在ザグリ珈琲で扱いのあるアジアのコーヒー豆のリストです。
アジア・オセアニア
- フィリピンファインロブスタH
- ベトナムファインロブスタ H
- ベトナムファインロブスタ W
- ベトナムアラビカ W
- インドアラビカW
- 中国雲南省各種
雲南省は中国の西南辺境に位置し、全国で最も少数民族が生活している省。プーアル茶で有名なプーアル地区もあり、蕎麦の原産地としても知られた場所です。南部にベトナム、ラオス、ミャンマーに接し、平均標高が約1500m-2200m前後、北西部にチベット自治区と接するため、平均標高が3000m-4000mの間に位置します。全体的に地形が複雑で、昼夜の温度差が大きく、気候も多様であるため、動植物相が全国最多で非常に豊富です。近年は珈琲栽培が盛んでグーグルアースでは新しくできたと思われる珈琲畑も確認できます。ほとんどがカティモール種の栽培で、精製に発酵を取り入れていますが、シーシャンバンナーやプーアルではジャマイカから導入されたティピカ種も栽培しています。
雲南省のコーヒー栽培は主に怒江(サルウィン川)、瀾滄江(らんそうこう)、紅河(こうが)、金沙江(きんさこう)等の流域周辺、約800m-1800mの熱帯地域に分布されています。現在、雲南省でのコーヒー栽培面積は1500平米キロメートル前後、総生産量は15万トンから17万トン位。
1892年にフランス宣教師からコーヒー種を導入して以来、様々な地域に栽培され、現在、雲南省で最も栽培されている品種はカティモール(Catimor)系であり、中でも多様な改良品種や実験品種が存在しています。そのほか、ティピカ(Tipica)、イエローブルボン(Yellow Bourbon)、カトゥアイ(Catuai)も栽培されています。今後、多様なコーヒー品種を楽しむことが期待できます。
100年以上経過した2023年現在、様々な精製豆を焙煎中です。当店で独自にワイン酵母発酵したインフューズド実験は農園でのwine yeast fermentationとほぼ同じフレーバー結果でした。