2024年04月27日 18:46最新の情報です

アジアのコーヒー豆

アジアのコーヒー豆

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写真引用:MOUNTAIN MOVER
アジア地域では独自の特徴を持つコーヒーが栽培されています。以下に、アジアのコーヒー豆に関する主なポイントを簡潔にまとめます。

  1. 特徴的な風味プロファイル: アジアのコーヒー豆は、その風味プロファイルの独自性で知られています。一般的には、フルーティーで芳醇な味わいが特徴であり、独特の香りや酸味を楽しむことができます。アジアのコーヒーは、しばしばエキゾチックで独特な風味を持つと評価されています。
  2. インドネシアのコーヒー: インドネシアは、アジアで最も有名なコーヒー生産国の一つです。エチオピアに次いでコーヒーの栽培を始めた国でもあります。スラウェシ島はアラビカ種の栽培がほとんどですがスマトラとジャワ島はロブスタの占める割合が多く、スムースで濃厚な味わいと弱い酸味が特徴です。
  3. ベトナムのコーヒー: ベトナムは、世界最大のコーヒー生産国の一つですがロブスタが95%を占めます。ベトナムのコーヒーは、一般的にはロブスタで、独特の豊かなコクと強い苦味が特徴ですが一部良質なアラビカ種も生産されています。
  4. その他のアジアのコーヒー: インドやタイ、フィリピン、東ティモール、台湾、オーストラリアなど、他のアジアの国々でもコーヒー生産が行われています。日本でも極少量ですが沖縄と小笠原で作られております。それぞれ、風味や品質に焦点を当てた生産が行われており、個々の国の風土や栽培方法によって異なる特徴を持つコーヒーが生み出されています。
  5. 持続可能な生産への取り組み: アジアの一部のコーヒー生産者は、持続可能な農業プラクティスや社会的責任を重視しています。生産者は、環境への配慮や労働条件の改善、フェアトレードの実践などを通じて、持続可能なコーヒー産業の発展に貢献しています。

アジアのコーヒー豆は、その独自の風味プロファイルと特徴的な栽培方法により、コーヒー愛好家の間で評価されています。これらの特徴は、アジアのコーヒーを他の地域と差別化しています。

次の図は2022年度における世界のコーヒー豆生産量のアジア地域のランキングです。黒丸の数字がコーヒー全体、緑がアラビカ種、赤がロブスタ種です。
アジアのコーヒー産出国
ベトナムは世界第2位ですが95%がロブスタ種です。ザグリ珈琲ではベトナム産のファインロブスタWashed/Honeyと数少ないアラビカ種を焙煎しています。THA-1というエチオピア原種とベトナムカティモールのベトナム研究品種も扱います。フィリピンは世界でも珍しくアラビカ、ロブスタ、エクセルサ、リベリカの4種類を生産しておりオークションロットファインロブスタを扱います。中国は2022年のアラビカ生産量ではインドを抜いて9位にランクインしました。特に雲南省が有名ですが海南省、福建省でも作られております。雲南付近をグーグルアースで確認すると新しい珈琲農園が観察できます。ザグリ珈琲で取り扱いがあるのは雲南省産で2023ニュークロップとして、カティモール種トリプルアナエロビックファーメンテーションです。

モンレン
MENGLIAN(モンレン)地区の珈琲農園/写真引用:MOUNTAIN MOVER

ザグリ珈琲のアジアのコーヒー豆リストです。

アジア・オセアニア

  1. フィリピンファインロブスタH
  2. ベトナムファインロブスタ H
  3. ベトナムファインロブスタ W
  4. ベトナムアラビカ カティモールW
  5. ベトナムアラビカ THA-1 W
  6. インドアラビカSL-795 W
  7. 雲南省プーアル地区カティモールトリプルアナエロビックファーメンテーション
  8. インドネシア マンデリン ミトラG1 スマトラ式
  9. インドネシア WIB-1 ロブスタ

プーアル地区の珈琲農園
PUER(プーアル)地区の珈琲農園/写真引用:MOUNTAIN MOVER
雲南省は中国の西南辺境に位置し、全国で最も少数民族が生活している省。プーアル茶で有名なプーアル地区もあり、蕎麦の原産地としても知られた場所です。南部にベトナム、ラオス、ミャンマーに接し、平均標高が約1500m-2200m前後、北西部にチベット自治区と接するため、平均標高が3000m-4000mの間に位置します。全体的に地形が複雑で、昼夜の温度差が大きく、気候も多様であるため、動植物相が全国最多で非常に豊富です。近年は珈琲栽培が盛んでグーグルアースでは新しくできたと思われる珈琲畑も確認できます。ほとんどがカティモール種の栽培で、精製に発酵を取り入れていますが、シーシャンバンナーやプーアルではジャマイカから導入されたティピカ種も栽培しています。ザグリ珈琲では雲南の珈琲栽培地域の複数の農園から良質な発酵豆を取り寄せ焙煎し、2023年秋〜24年冬現在はプーアル産のカティモール種トリプルアナエロビックファーメンテーションを扱います。雲南の豆は数年前から扱っていますが年ごとに風味が異なり、現在のニュークロップはやや浅煎り目でローストしています。ギーセンで焙煎した場合はシャープな酸味、富士で焙煎した場合はマイルドに、ローテーションで仕上げています。

雲南省

プーアル地区の珈琲農家
PUER(プーアル)地区の珈琲農家/写真引用:MOUNTAIN MOVER

雲南省のコーヒー栽培は主に怒江(サルウィン川)、瀾滄江(らんそうこう)、紅河(こうが)、金沙江(きんさこう)等の流域周辺、約800m-1800mの熱帯地域に分布されています。現在、雲南省でのコーヒー栽培面積は1500平米キロメートル前後、総生産量は15万トンから17万トン位。

保山(バオサン=BAOSHAN)精製発酵風景

yunnan baoshan
yunnan baoshan
yunnan baoshan
保山(バオサン=BAOSHAN)精製発酵風景/写真引用:MOUNTAIN MOVER

雲南省では1892年にフランス宣教師からコーヒー種を導入して以来、様々な地域に栽培され、現在最も栽培されている品種はカティモール(Catimor)系であり、中でも多様な改良品種や実験品種が存在しています。そのほか、ティピカ(Tipica)、イエローブルボン(Yellow Bourbon)、カトゥアイ(Catuai)も栽培されています。今後、多様なコーヒー品種を楽しむことが期待できます。

雲南の豆

インドネシアの豆

インドネシア ポルン セリブ・ラジャ スマトラ式

セリブ=1000、ラジャ=王。この名前はトバ湖周辺で取れた1000を超えるコーヒーの中でも、一番のクオリティであることから生産者さんによって名づけられました。最高のクオリティのコーヒーを作る為には、原料となる良質なチェリーも大切ですが、その後の加工でも手をかけることが不可欠です。水分値が高い状態で、パーチメントの脱殻を行うスマトラ式の精製方法では、豆が柔らかい為ミルの力で先端が裂けてしまう事があります。その裂けた部分は品質の劣化が起こりやすく、それを取り除くには機械による選別は難しく、手作業によるハンドピックしか方法はありません。この商品には熟練のピッカーさん達がベルトコンベアに乗せられた生豆をチェックし、一つ一つ取り除いていきます。通常スペシャルティコーヒーと呼ばれるマンデリンでも、このハンドピック用コンベアは1回、多くて2回通すことが多いのですが、この商品では回数に規定を設けず厳しい基準値以下の状態になるまでハンドピックを続け徹底的に不良な豆を取り除いていきます。こうして、たくさんの人の手と時間をかけて生まれたセリブ ラジャはその名前にふさわしく、心地よいハーブ感、完熟したオレンジや南国フルーツのニュアンス、クリーンカップをハッキリと感じられます。
豆の柔らかいこのマンデリンは富士ローヤルの釜でじっくり焙煎し、二ハゼピーク手前でローストしています。ドリップ抽出の際は豆の成分を100%抽出を念頭に点滴にて抽出しています。
インドネシア ポルン セリブ・ラジャ スマトラ式

生産地 北スマトラ州 フンムバン・ハスンドゥタン県 ポルン地区
精製 スマトラ式
標高 1,500~1,700m
品種 シガラルタン、ティピカ、S-795
乾燥 天日乾燥
規格 G1