コーヒー豆を挽く大きさのことを『メッシュ』
コーヒーをカッピングする時は『挽き目』を変える必要があります。コーヒー専門用語ではこの『挽き目の粗さ』を『メッシュ』と呼びます。
Qグレーディングで使うSCAのカッピングプロトコル。
Cupping Preparation / カッピング準備
グラインドメッシュは一般的なペーパーフィルター抽出用のものとは異なるサイズを使用しなければならなく、それはU.S.スタンダードサイズ#20(841μ)のメッシュシーブを70〜75%透過する大きさでなければならない。サンプルの均一性を評価しなくてはならないため5つのカップを用意しなければならない。
SCAに関してよくよく調べていくと台湾製の篩が#20で開口部の穴がほぼレギュレーション通りだというのが判明しましたが日本では入手しずらいのがわかりました。そもそも日本では昔の寸法である一寸(3.0303cm)あたりいくつの目があるかという規格がかつて存在し、旧JIS規格の#20が開口部840μだったようです。おそらくその時代のものが台湾で作られているのではと推測します。
現代の日本の篩製品は全て寸ではなく1インチあたりのマス目の数に仕様変更され、精度が高められていました。昔ながらの製品ではそば粉用がSCAの開口部に近い840のものがありました。
篩によってコーヒー粉を通過させるのだから開口部の数(#20)ではなく開口部の目開きのサイズが重要になるはずです。目開きは線の太さによって変わってきます。現代の日本のメッシュサイズは#20は針金の線の太さだけでも10種類ほどあり目開きは700μ台から広いものでは1ミリ近いメッシュまであります。上図は入手できた線径370μで#20の900μ目開き、線径220μで#24の838μ目開き篩の詳細です。
#20の場合は線径が400μ以上ないとないと841μにはなりませんし#24でも線が細いメッシュの開口部は広がります。よってよりSCAの基準値に近い838μのメッシュを使うことにしました。数値に関しては全て均一に開口しているわけではなく誤差があり、許容範囲内での値だということ。SCAの基準値である841μを満たす結果となりました。
開口部の数値もプロトコルにほぼ準拠した網で、72%程度通過する挽き目に決定、グラインドのアグトロン数値も4-5ポイントほど明るくなってグラインダーの挽き目がレギュレーションに沿ったサイズになりました。
全ては正確なカッピングプロトコルのために
的確な濃度と収率。挽き目が異なると抽出される珈琲液の濃度そのものが違ってしまいSCAに準拠したカッピングができません。可能な限り機材的な誤差をなくし、手で振るなどヒューマンエラーを排除する必要もあります。
篩メーカーは国内外にいくつもありますがその中でも国際的なISO規格を策定する精密理科実験器具製造メーカーに出向いてSCAカッピングプロトコルに準拠した実験用の篩を入手しました。ローストマスター焙煎教室受講者限定販売↓。
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※挽き目に関してはグラインダーの種類や個体差にもよりますので電話やメールでのお問い合わせ不可です。ローストマスタ参加者には挽き目サンプルなど希望者に共有します。