ギーセンでの焙煎を始め、半年が過ぎようとしています。総焙煎数は千バッチを超え、ようやくこの焙煎機の特徴が理解できるようになってきました。

珈琲生豆

1年前までは富士ロイヤルの1kg半熱風機をメインに焙煎していました。

ちょうどその頃、独学での珈琲に限界が見えはじめ、自店のコーヒーが美味しいのかどうか?果たして焙煎はこれでいいのかなど自信が持てなくなっていた時期でもあり、アラビカQグレーダーのライセンス取得のためにCQIに沿ったトレーニングを受けました。Qグレーダートレーニング以前はコーヒーについて不明なところが多く、日本の珈琲書籍を読んだりいろいろなお店の珈琲を飲み歩いていたりお店の人に聞いていたりしましたが、一度でもCQIのトレーニングに触れるとそんな迷いがなくなります。

トレーニングは外界から完全隔離された山の中(熱海)での合宿です。5日間Training〜間を挟んで5日間自習〜5日間のExamで2〜3週間に渡っての経験でした。

フレーバー、塩酸甘味覚による訓練、焙煎座学、カッピング、生豆選別などコーヒー鑑定の必須技術を集中的に訓練し精神的にも体力的にも追い詰められます。コロナ渦ということもあり毎朝の検温から始まり、カッピングも非接触型という方式で体重が5kgも減りましたが無事修了することができました。一緒にトレーニングを受けた仲間やトレーナーのKOJUには大変感謝しており、コーヒー業界に所属経験のなかった私にとっては唯一のコーヒー恩師になります。また仲間の一人は生豆インポーターのスタッフでしたのでそこから生豆を仕入れることができるという良好な関係を築けています。

トレーニングの中で私にとって一番重要なカテゴリーだったのがRoast IDとCuppingです。

詳しくは書きませんが、First/Light/SCA-Agtron63/Dark/Bakedについて、珈琲の熱化学変化を学び、実際にそうして焙煎された豆のカッピングも行います。

 

また、ディフェクトと呼ばれる欠点豆のカッピングなども行います。

美味しいコーヒー豆の焙煎を心がけている自分にとってはNGに焙煎された豆を識別するというのは新鮮な体験でしたが、そうしたNG豆を再現する技術には驚きました。

また、カッピング時は、主にトレーナー採点との乖離がないか、トレーナーとのキャリブレーションが主です。そこで身に着けることは客観的な鑑定であり、自分の好みは入れず、最後のオーバーオールでのみ採点します。

カッピング

カッピングスプーン

実技で使うカッピングスプーンは支給されますが、同じものを個人的に別に仕入れました。イギリス製のこのスプーンはカッピングボウルの形状に沿って作られており、抜群に使いやすいです。

そうした貴重な経験がありコーヒーの味覚とはどういうものであるか、フレーバーの取り方などが理解できるようになりようやく珈琲焙煎店としてお客様へ合わせた適切な説明ができるようになってきていると思います。

フレーバーホイール、グリーングレーディング

トレーニングで使用した生豆選別のSCAグリーンコーヒーディフェクトガイド、その他SCA資料フレーバーホイールなど

coffeeflavorwheel

フレーバーはスーパーテイスターは別として才能によって身につくものではありません。日々の経験値です。

そんなことを踏まえて当店の焙煎方針は富士ロイヤル1kg機の場合は火加減を調整して焙煎しています。この機械の場合は可変要素が少ないため誰でも同じような焙煎ができます。

 

それに対してギーセンのW1Aは
火力
回転スピード
釜内の風量
といった3つの要素を変えます。

細かくは書きませんが、Roast IDでは
8分程度でハゼがきて、12分以内に焙煎時間を収めます。
coffeeacid
そして豆のリンゴ酸、クエン酸、酢酸、キナ酸、ラクト酸、ギ酸、リン酸
etc..

このうちQグレーダーの課題科目は「リン酸、リンゴ酸、クエン酸、酢酸」だけです。

テイスティング

当店は今ではSCAAカッピングフォームによる焙煎時の採点は欠かせません。スタッフにも周知教育し記入採点ができるようになっています。

 

 

焙煎時の珈琲生豆に対する熱変化で、火力は誰にでも想像がつきますが回転数はRORの変化に関与し、排気風量はハゼが起きた時のフレーバーの出方に関連します。これだけは回転数と風量を可変できるマシンでしか理解できないかと思います。

珈琲焙煎は奥の深い世界です。毎日が実験と勉強。歩みを止めた時点で終わりの始まりです。

続く

ページ上に戻る