約1年半ぶりにコーヒーミルのレストアに着手、3台ある富士珈機製の50年以上前の機種の1台を完成させました。

塗装を剥がすのにはかなり苦労しましたが、裏蓋を外すのには塗装を剥がさないとネジが出現しないなどこの機械特有の分解のしにくさ。裏蓋はきっちり締まっており、一度取り付けると外すのには写真のような刃先の鋭い工具でトンカチで少しづつ外します↓。
R-440

裏蓋を研磨している様子。結構凹んでいた箇所があり、裏側から木槌で叩いて成型しました↓。
FUJI R-440

特にモーター部分は分解する必要はありませんでしたがかなりきつく締まっていたためネジ山を潰してしまいました↓。
FUJI R-440

本体の足を外して下から見た図↓。
R-440

潰したネジを新しいのにし、新しくネジ切りをしている様子↓。
ネジ切り

本体は12kg位はあり、元々付いていた60年ほど前のゴム足は完全に潰れていました。新しくエラストマー製の硬質ゴム足を装着↓。
R-440

電源スイッチ部。年代によって違うようですが初期のモデルはJIMBO製。分解時にどの線がどこに繋がっていたかメモするのを忘れましたが回路図を見て再接続↓。
R-440

だいぶ隙間が空いたり、スイッチ金具がはみ出ていて残念な感じです。塗装やシールが厚盛りになっていた製品状態では気になりませんでしたが金属剥き出しでは不恰好です↓。
R-440

そこで、電源スイッチ回路を1974年製のR-440についていた松下電気製に変えることにします。線をつなぐ位置と数字番号がJIMBOとは一致しないので注意が必要でした↓。
R-440

松下製に再接続。電源コード類も新しいのに変換↓。
R-440

松下製を本体に装着。JIMBOに比べて小振りです↓。
R-440

主電源スイッチ周り完成。オリジナルに比べてスマートです。しかし、1974年製の方は部品がなくなってしまいましたので後々考えねばなりません↓。
R-440

コード穴のゴムプッシュも新品に交換。秋葉原の電材パーツ店を一日かけて全てのネジなどの細かい部品類を調達した一昨日を思い出します↓。
R-440

R-440は年代によって部材や形状が変わります。久しぶりに確認したのでどれがどの部品だったか思い出すのにひと苦労↓。
R-440

R-440初期型の銘板は真鍮製。70年代のアルミ製に比べると重厚です。これだけで価値がありそう↓。
R-440銘板

R-440本体足の後ろ部分に付ける東芝製モーターの銘板。本来はリベットで打ちつけられ外すのに大変だったためプラスネジに変更。スマホ用の微細なネジの再利用です↓。
R-440型番

本体上部の型番銘板もプラスネジで取り付け↓。
R-440

完成。豆ホッパーは使いません。オリジナルのステン直管で内部は螺旋構造につきスムーズな豆投入を実現。隣のマールクーニックEK-43Sとお揃いです!。EKのフラット型鋳鉄カット刃は1300Wのパワーでガーッと一瞬で挽くのに対して、昔ながらの日本の喫茶店仕様富士珈機グラインド刃はトルクのありそうな350Wモーターでガラガラとゆっくりすり潰します。回転が遅い分、EKに比べて静電気が少ないです。ちなみにEK43は、高速回転すぎて凄い静電気でしたが20m以上のアース線を外の地中に埋め込み限りなく静電気を抑えてます↓。
R-440

後ろからのアングル。TOSHIBAモーターの刻印がかっこいい!EKはシールなのが残念。。↓。
R-440とEK43S

というわけでヴィンテージグラインダー再生計画第一弾完了。次は1974年型R-440です。