ナナハン焙煎機の構造と掃除

2017年9月から2020年9月までと3年間使い慣れたナナハン焙煎機ですが、この機械の構造と作り、使い方、掃除の仕方などを紹介したいと思います。

ナナハン焙煎機は排気と火力が強いと言われますが、スペックと図面を以下に示します。

価格:99万円(税込)2020年夏時点
電源:単相100V 65W 1.5A
バーナー:4,000キロカロリー(同クラスの焙煎機の2倍の火力)
サイズ:幅850x奥行500x高さ720mm 重量49kg
装備:排気&チャフ受けサイクロン/微圧計/豆温度デジタル計/排気アナログ温度計/排気ブロアーインバーター/排気調整弁/自動点火バーナー

電源の65W内には釜の回転モーターとインバーター制御の昭和電機製(40W)モーター含む。

ナナハンは同容量の他の焙煎機に比べてコンパクトで構造がシンプルです。購入時、設置スペースが限られていて底面のゴム足の位置の詳細な寸法が欲しかったため実寸にて図面に書き込みました。
ナナハン焙煎機図面

以下は撮影した画像に、内部構造を記したものです。
750gコーヒー焙煎機

焙煎方法

1)メインスイッチをONにし、ガス圧調整ダイヤルを開けて炎を点火し、200度まで予熱したら火を消す。
2)100度位まで下がったら生豆ホッパーに入れた豆をシャッターを開けて釜に投入、シャッターを閉めて、ガス点火。寒い時は炎が消えてしまう場合があるため要確認。
3)ガス圧と排気ファンインバーターを適宜調整し1爆ぜを待つ。適宜2爆ぜを入れサンプルスプーンで豆の状態を見てタイミングを見計らって煎り止め。
4)豆を取り出し火を止めて冷却皿に開け、冷却レバーにしたら排気調整弁と排気ブロアーインバーター全開、冷却皿の穴を全部塞ぐように満遍なく豆をならし冷やす。この時冷却皿の穴からはブロワーからの吸気によって強力に吸引され冷やされる。
5)正面のチャフ受け皿を掃除、サイクロンの蓋を開けてチャフを掃除*。
6)2〜3分経過して豆が冷えたら完了、次の焙煎に備える。
7)全ての焙煎が完了したら火を止めてガス圧ダイヤルを閉めて釜温計が40度位になったらメインスイッチをOFF。
*マキタのプロ用充電式カプセル掃除機(14.4Vや18V)などがベストです。サイクロン内部などへの取り回しがしやすい。


ナナハン焙煎機図解

機械を裏から見た図です。ナナハン焙煎機はインバーター制御のモーターで回すシロッコファンによってサイクロン上部から吸引〜排気される構造になっています。このシロッコファンはなかなか強力で全開にすると内部のチャフを全部吸い取る勢いです。焙煎時はちょうど排気流が均衡の状態が強弱コントロールインバーター4.2付近になります(掃除したてで内部がクリーンな状態)。

ガス火で熱せられた豆からはチャフが発生し、サイクロンに集塵されます。焙煎ごとにこまめにチャフを掃除しないと内部の詰りと汚れが早まります。サイクロン下部は2箇所、両方向から扉が開くようになっていて溜まったチャフを確実に取り除くことができます。


ナナハン焙煎機
ナナハン焙煎機は500gから800gくらいが安定と言われますが、経験上、下は200gでも可能です。しかしその場合は豆の温度は正確ではありません。写真のように豆の温度センサーは釜の半分くらいに豆が入っていないと正確に豆を刺さないのが理由です。豆の水分量と焙煎量に合わせて火力と排気インバーターファンを調整します。当店ではこの時排気調整弁を弄ることはありません*。焙煎具合は、はぜ音と香りにて判断しますので慣れれば温度計に頼ることはありません。釜内部の容量を見ると豆の膨張率を考慮し800gが限界かなとは思いますが一応900gまでは焼いたことがあります。当店では300gから6〜700gを中心に焼いてます。

*排気管内部の詰り具合によって弁を開けることがありますが、基本的には定期的に内部を掃除していますので排気ファンの調整のみです。



焙煎頻度にもよりますが定期的に内部を開けて掃除する必要があります。

排気の肝であるシロッコファンは豆のチャフがこびりつきこんな具合になります。こうなるともう排気が詰り、煙が漏れ出してまともに焙煎することができません。具体的にはチャフがサイクロンまで飛んでくれないため、釜の中でチャフごと豆を煎ることになります。この状態が進行すると排気管内部とサイクロン壁にコーヒー豆の黒い油がこびりついてきます。


サイクロン内部もだいぶ汚れます。排気管周りも全て分解し掃除します。

シロッコファンは丁寧に汚れを取り除きます。

サイクロン内部も分解し、水洗いします。

サイクロン内部バフかけ
ちなみに当店では目の細かいヤスリで内壁を磨き、バフかけ仕上げています。

排気系統管も全部バラします。

排気調整弁内部もこんなに汚れます。

焙煎機ダンパー
弁も全てバラして綺麗に磨き上げます。

釜は毎回じゃなくとも良いですが時々は内部も定期的に開けて掃除します。開けない場合は釜内部に向けて業務用ブロアーなどの強風で吹き飛ばします。

黒い塗装は所々剥がれてしまったため塗装を全部剥がし金属むき出しにしています。

 

分解掃除した後はサビの原因となりますので水分を完全に取り除きます。このように一日仕事になりますので機械弄りと掃除が好きでないと焙煎機の適切な維持管理は難しいかもしれません。

焙煎すること自体は比較的簡単ですが、むしろ機械のメンテナンスの方が重要です。クリーンな機械だと加熱と排気のベストな焙煎環境を作り出すことができます。それには内部構造と各機械の動きを常に把握することが肝心です。