珈琲は日本でも各地で作られているようです。南は沖縄から北は室内栽培で北海道まで結実した事例が報告されていて、小さな苗を入手して育てているところです。実を結ぶのはなん年後かはわかりませんが。
2年ほど前からは珈琲生豆のインフューズド実験してましてなんとか生の国産コーヒー豆が入手できないかと調べていて、ようやく貴重なコーヒーチェリーが手元に届きました。「日本産コーヒー豆の発酵実験」としてブログに記録します。
九州柳川の珈琲農園
ネットで見つけた珈琲チェリーが購入できる国内唯一(自分が知る限りでは)のコーヒー農園、椛島珈琲園。これは珈琲チェリーと一緒に届いたパンフレット。柳川は行ったことはありませんが去年近所の映画館で「柳川物語」を観たので水路の町、だというのは知ってましたが珈琲農園があるのは知りませんでした。ハワイで珈琲栽培を学んだ農園主が経営しています。
400グラムという少量ですが、貴重な国産珈琲チェリーです。
麹発酵開始。
海外のコーヒー農園で米麹発酵で精製しているのを参考に、みやこ麹で菌の増殖。ヨーグルト発酵器で過発酵にならない程度に低温で3日間ほど発酵。海外の農園では「SIMA」という酵母で発酵させている事例が多いようです。
パーチメントで乾燥。この状態での匂いはアナエロ特有の味噌っぽいフレーバー。パーチメント殻をどうやって剥くかが課題ですが、期待できそうな予感がします。
奄美大島の珈琲
春に奄美大島産のコーヒー生豆を持っている方が焙煎教室に参加され、ギーセンで焙煎しました。580グラムの生豆でWashed。水分値9.5%密度は685g/lと低めです。
写真や動画もたくさん提供いただきました。奄美大島ではブルボン種を栽培しているそうです。実を放置しておくとどんどん芽が出るそう。
農園の様子。
奄美大島のブルボン種。
お手製のパルパーでチェリーの皮むきをしている様子。
川で水洗。
浅煎りで焙煎。カップをとってみましたがネガティブ要素は一切なく、点数はスペシャルティ基準を楽々クリアー。Herb-likeでクリーンな味わいのウォッシュドコーヒー。
その後、焙煎教室の生徒さんが奄美のコーヒーチェリーをたくさん持ってきてくださり実験開始。大変貴重な奄美産ブルボン種。
柳川産の発酵実験での教訓を活かしてコーヒー豆のアナエロビックナチュラル精製に入ります。酵母実験はこれまでいくつかの実験例がありまして今回はパッションフルーツ共発酵、赤ワイン酵母などを組み合わせます。人の手に及ぶところはなくとにかく雑菌が入らないよう清潔にして殺菌するのと酵母頼りと如何に培養しやすい環境を作れるかが鍵となります。
赤ワイン酵母発酵。これは大変元気の良い酵母でプレ発酵で既にかなりの発泡具合。
共発酵。低温での発酵が可能な酵母を使い25℃でコントロール。この酵母はコーヒーチェリーの果肉と結びついて勢いよく発酵はじめました。
温度上昇による過発酵を防ぐため一定時間ごとにチェック。
コーヒーチェリーの発酵は世界各地の農園での発酵公開情報や今まで飲んだことのある発酵豆の味を参考にしています。コロンビアなど一部の農園によってはレモン、ストロベリー、マンゴーなどのフルーツ、ミントやユーカリなどのハーブを加えた共発酵を加えたコーヒーチェリーで様々な味を作り出しています。アナエロビックファーメンテーションコーヒーについてはコーヒー本来の味ではないとして異を唱える向きもあるようですが私は結果美味しければ良い派です。
118時間発酵させた後、天日乾燥↓。
発酵から天日乾燥までの様子をショート動画にしました。
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6月頃飲み比べメニューにて限定提供します。