ザグリ珈琲で取り扱う豆の精製種類を簡単に紹介します。
カーボニックマセレーション
カーボニックマセレーションプロセスでは、完熟したコーヒーチェリーを選び、手作業で選別し、比重選別し、過熟のコーヒーチェリーと未熟のコーヒーチェリーを分けます。水洗式のCMセレクションコーヒー(CMW)は、パルピングされたのち湿度や温度がコントロールされたタンクに入れ、二酸化炭素を注入しタンク内の全ての酸素を除去します。発酵後、コーヒーは上げられたベッドで12〜18日間乾燥された後保管されます。ナチュラルプロセスのCMセレクション(CMN)は、コーヒーチェリーのままタンクに入れられます。発酵後、ナチュラルプロセスコーヒーはドライングベッドで30日以上乾燥させた後、保管されます。そして二酸化炭素で満たされた制御されたタンクでCMセレクションプロファイルを作成します。ザグリ珈琲ではエルサルバドルのカーボニックマセレーションナチュラルプロセス豆を取り扱います。
スーパーナチュラル
「スーパーナチュラル」精製には、長年のカーボニック・マセレーション試験から学んださまざまな実験技術が含まれています。コーヒーチェリーを収穫し、手作業で選別し、未熟または過熟のチェリーを取り除くために浮かせます。チェリーはその後、厚く積み重ねて温度を上げ、甘味と果実の品質を強化しながら、乾燥プロセスをより良く管理するために日陰で乾燥されます。この間、チェリーは数時間ごとにひっくり返され、果実内で適度な発酵が行われるようにします。ザグリ珈琲ではニカラグア、エルサルバドルのスーパーナチュラル豆を取り扱います。
ファーメンテーション
コーヒー豆の発酵精製には、嫌気性発酵(アナエロビック)と好気性発酵(エアロビック)との2つの主要な方法があります。ザグリ珈琲ではアフリカ大陸、ラテンアメリカ、アジア地域の様々な品種のファーメンテーション豆を取り扱います。
嫌気性発酵(アナエロビック)
果肉除去: コーヒーチェリーから果肉を取り除きます。
[嫌]発酵: 果肉が取り除かれた豆を、酸素を遮断した状態で発酵させます。密閉されたタンクやビニール袋などを使用して、酸素の供給を防ぎます。
[好]発酵: 果肉が取り除かれた豆を、空気に触れる状態で発酵させます。発酵槽やタンクを使用し、豆を広げて自然に発酵させます。
洗浄: 発酵後、豆を水で洗浄し、残った粘液質を取り除きます。
乾燥: 洗浄した豆を天日干しまたは機械乾燥で乾燥させます。
特徴:
[嫌]風味: 独特で複雑な風味が特徴です。酸味と甘味がバランスよく、スパイシーなノートやエキゾチックな香りが強調されることがあります。
[好]風味: クリーンで明るい酸味が強調されます。フルーティーな香りやフローラルなノートが感じられやすいです。
[嫌]管理: 酸素を遮断するため、発酵の進行状況を細かく管理する必要があります。不適切な管理は、過剰な発酵や品質の劣化につながることがあります。
[好]管理: 発酵中に空気と接触するため、発酵の進行状況を管理しやすいです。
実験性: 生産者が独自の風味プロファイルを追求するために使用することが多く、創造性と技術が試されます。
比較と選択
**好気性発酵(エアロビック)**は、クリーンで安定した風味を求める場合に適しています。一方、**嫌気性発酵(アナエロビック)**は、独特で複雑な風味を追求し、消費者に新しい体験を提供したい場合に選ばれることが多いです。それぞれの方法には特有のチャレンジと魅力があり、コーヒーの個性を引き出すために適切な精製方法を選ぶことが重要です。
ザグリ珈琲でもテロワールに左右されない珈琲豆のフレーバーの創出として日本産珈琲豆の発酵実験を行いました。
ナチュラル
ナチュラル精製は、コーヒー豆の処理方法の一つで、コーヒーチェリーの果肉を取り除かずに乾燥させる方法です。この精製方法は、以下のステップを経て行われます。ザグリ珈琲ではアフリカ大陸、ラテンアメリカ、アジア地域の様々なウォッシュド豆を取り扱います。ザグリ珈琲ではアフリカ大陸、ラテンアメリカ、アジア地域の様々な品種のナチュラル豆を取り扱います。
収穫: 完熟したコーヒーチェリーを手摘みで収穫します。
選別: 不良品や未熟なチェリーを取り除きます。
乾燥: コーヒーチェリーを広げて天日干しします。この際、チェリーを均等に乾燥させるために定期的にかき混ぜます。乾燥には数週間かかり、理想的には湿度と温度を管理できる乾燥棚を使用します。
脱果肉: チェリーが完全に乾燥した後、脱果肉機で果肉と種子(コーヒー豆)を分離します。
最終選別と包装: 最終的な選別を行い、品質の高い豆だけを選び出して包装します。
ナチュラル精製の特徴として、次の点が挙げられます。
フレーバープロファイル: 果肉と一緒に乾燥するため、果実味が強く、甘みやフルーティーな香りが際立ちます。
発酵リスク: 乾燥過程で発酵が進みやすく、管理が難しいため、品質のばらつきが生じることがあります。
環境への影響: 水をほとんど使用しないため、水資源が乏しい地域に適しています。
ナチュラル精製されたコーヒー豆は、その独特の風味から多くのコーヒー愛好者に好まれていますが、適切な乾燥と管理が求められるため、生産者の技術と経験が重要です。
ウォッシュド
ウォッシュド精製は、コーヒー豆の精製方法の一つで、水を使用して果肉を除去し、その後発酵させて洗浄するプロセスです。以下に、ウォッシュ精製のステップと特徴を詳しく説明します。ザグリ珈琲ではアフリカ大陸、ラテンアメリカ、アジア地域の様々な品種のウォッシュド豆を取り扱います。
収穫: 完熟したコーヒーチェリーを手摘みで収穫します。
選別: チェリーを水に浸けて、浮く未熟なチェリーを取り除きます。良質なチェリーは沈むため、これを利用して選別します。
果肉除去(パルピング): パルピングマシンを使用して、チェリーの果肉を除去し、種子(コーヒー豆)を取り出します。
発酵: 果肉が取り除かれたコーヒー豆を発酵槽に入れ、自然発酵させます。この過程で、豆の周りに残った粘液質(ミューシレージ)が分解されます。発酵時間は通常12~48時間です。
洗浄: 発酵後、豆を水で洗い流し、完全に粘液質を取り除きます。この過程で、豆を攪拌しながら洗浄することが一般的です。
乾燥: 洗浄した豆を天日干しまたは機械乾燥で乾燥させます。天日干しの場合、乾燥棚に広げ、均等に乾燥させるために定期的にかき混ぜます。
最終選別と包装: 乾燥後、最終的な選別を行い、品質の高い豆だけを選び出して包装します。
ウォッシュド精製の特徴
クリーンなフレーバー: 水で洗浄するため、クリーンで明瞭な風味が特徴です。酸味が際立ち、果実の風味がはっきりと感じられます。
発酵管理: 発酵過程を通じて粘液質を取り除くため、風味の一貫性が保たれやすいです。適切な発酵管理が求められます。
水の使用量: 大量の水を使用するため、水資源が豊富な地域で主に行われます。環境への影響が懸念される場合もあります。
ウォッシュド精製されたコーヒー豆は、そのクリーンでバランスの取れた風味から、多くのコーヒー愛好者やバリスタに支持されています。特に、酸味やフルーティーな香りを重視する方に好まれる精製方法です。
ハニー精製
コスタリカに代表されるハニー精製は、コーヒー豆の精製方法の一つで、果肉の一部を残したまま乾燥させる方法です。ハニー精製には、果肉の残し具合によってホワイトハニーからブラックハニーまでの異なるタイプがあります。それぞれの特徴と違いについて詳しく説明します。ザグリ珈琲ではコスタリカのアナエロビックハニー、フィリピンロブスタのハニーなどを取り扱います。
ハニー精製のプロセス
収穫: 完熟したコーヒーチェリーを手摘みで収穫します。
果肉除去(パルピング): パルピングマシンを使用して、チェリーの果肉を部分的に取り除きます。
乾燥: 粘液質(ミューシレージ)を多く残した状態で乾燥させます。この乾燥過程の管理がハニー精製の鍵です。
選別と包装: 乾燥後、最終的な選別を行い、品質の高い豆だけを選び出して包装します。
ホワイトハニーからブラックハニーまでの違い
1. ホワイトハニー
果肉の残し具合: 非常に少量の粘液質が残されています。
乾燥時間: 短めで、通常は直接の日光を浴びることが多いです。
風味: クリーンで明るい酸味が特徴です。フルーティーで爽やかな風味が感じられます。
管理: 管理が比較的容易で、発酵のリスクが低いです。
2. イエローハニー
果肉の残し具合: 少量の粘液質が残されています。
乾燥時間: ホワイトハニーよりも少し長めです。部分的に日陰で乾燥させることもあります。
風味: バランスの取れた酸味と甘味が特徴です。フルーティーさとボディのバランスが良いです。
管理: 発酵のリスクはやや高まりますが、管理が比較的容易です。
3. レッドハニー
果肉の残し具合: 中程度の粘液質が残されています。
乾燥時間: イエローハニーよりもさらに長めで、通常は日陰で乾燥させます。
風味: 豊かなボディと甘味が特徴です。複雑な風味が感じられます。
管理: 発酵のリスクが高まり、管理が難しくなります。
4. ブラックハニー
果肉の残し具合: 最も多くの粘液質が残されています。
乾燥時間: 非常に長く、通常は完全に日陰で乾燥させます。
風味: 非常に甘く、リッチなボディが特徴です。スパイシーなノートや深いフルーティーな風味が強調されます。
管理: 発酵のリスクが非常に高く、細心の注意を払って管理する必要があります。
比較と選択
ハニー精製は、果肉の残し具合と乾燥方法により、風味プロファイルが大きく変わります。ホワイトハニーはクリーンで酸味が強い一方、ブラックハニーは甘味とリッチなボディが際立ちます。コーヒーの個性や消費者の好みに合わせて、適切なハニー精製のタイプを選ぶことが重要です。コスタリカの生産者は、この精製方法を使って多様な風味を持つコーヒーを生み出し、世界中のコーヒー愛好者に楽しんでもらっています。
スマトラ式ウェットハル精製
インドネシアのスマトラ式ウェットハル精製(Giling Basah)は、独特な精製方法であり、その結果として得られるコーヒーは他にはない風味を持っています。ザグリ珈琲ではインドネシアのマンデリンを扱い、深煎りにします。
この精製方法は特にスマトラ島で広く使用されており、次のようなステップで行われます。
スマトラ式ウェットハル精製のプロセス
収穫: 完熟したコーヒーチェリーを手摘みで収穫します。
果肉除去(パルピング): パルピングマシンを使用して、チェリーの果肉を取り除き、種子(コーヒー豆)を取り出します。この段階で豆はまだ粘液質に覆われています。
一次発酵と乾燥: 粘液質が付着したままの豆を短期間(通常は1日程度)発酵させます。その後、天日干しで部分的に乾燥させ、豆の水分含有量を30~40%程度にします。
ウェットハル(湿式脱穀): 通常の精製方法では完全に乾燥させてから脱穀を行いますが、スマトラ式ではまだ湿った状態で脱穀します。この時点で豆は湿っていて柔らかい状態です。
二次乾燥: 脱穀後、豆を再び天日干しまたは機械乾燥で乾燥させ、水分含有量を10~12%程度まで減らします。
最終選別と包装: 乾燥後、豆を選別し、品質の高いものを包装します。
スマトラ式ウェットハル精製の特徴
風味プロファイル:
スマトラ式のコーヒーは、重厚なボディ、低い酸味、スパイシーでアーシーな風味が特徴です。
この精製方法により、独特の複雑さと深みが生まれ、チョコレートやタバコ、ハーブのノートが感じられることがあります。
外観:
スマトラ式で精製されたコーヒー豆は、他の方法に比べて色が暗く、緑色がかっています。
管理とリスク:
この方法は湿度が高い地域で適しており、スマトラ島の気候に合っています。
乾燥が不完全な場合、カビや発酵不良のリスクがあるため、適切な管理が必要です。
メリット:
短期間で精製が完了するため、収穫から市場に出荷するまでの時間が短くなります。
雨季でも適用できるため、収穫期に天候の影響を受けにくいです。
スマトラ式ウェットハル精製は、インドネシア特有の方法であり、その結果として得られるコーヒーは他にはない独特の風味を持っています。この方法は、インドネシアの気候や地理的条件に適しており、コーヒーの重厚なボディと複雑な風味を引き出します。スマトラ島のコーヒーは、この精製方法により、世界中のコーヒー愛好者に評価されています。
珈琲の品種ページもぜひ参考にしてください。