コスタリカの珈琲は、その優れた品質と豊かな風味から世界中で高く評価されています。特にスペシャルティコーヒー市場において、コスタリカ産の珈琲は一際注目されています。ザグリ珈琲ではコスタリカの豆はブルボンのアナエロビックハニーと少量ですがゲイシャ種も取り扱います。
歴史背景
- 初期導入: コーヒーの木は、18世紀後半にキューバからコスタリカに導入されました。最初のコーヒーの木は1779年頃に持ち込まれ、栽培が始まりました。
- 輸出の開始: 19世紀の初めには、コーヒーが輸出されるようになり、国際市場に進出しました。
- 産業の成長: 1870年代にコーヒー産業は成長・拡大し、コスタリカの重要な農作物として確立していきました。
- 品質保持と管理: 1933年にはコスタリカコーヒー協会(ICAFF)が設立され、コーヒー豆の品質保持や工場の支援、安定供給を目指して、生産から輸出までを管理・指導しています。
- 法的規制: 1988年より高品質なコーヒー生産を推進するために、アラビカ種以外のコーヒー生産を法的に禁じるようになりました。
コスタリカ ドン・マヨ ロス・トゥカネス ブルボン アナエロビックハニー
ドン・マヨ マイクロミルを設立したヘクトル・ボニージャ氏は、2000年代初頭のマイクロミル革命の火付け役の1人です。ヘクトル氏は、『私は生まれたときからコーヒー生産者ですよ。』と朗らかに語る通り、常に最高品質のコーヒーを求め、研究・勉強を重ね、コーヒー生産に投資を続け、新しい農地や品種の開拓を行ってきました。
Cup of Excellenceにおいても、2008年3位、翌年2009年は優勝を果たし、タラスという生産地の名を広げた功労者でもあります。それ以降も毎年のようにCOE入賞を果たしており、決して驕ることなく絶えず努力を続ける生真面目さを物語っています。こうしたボニージャ・ファミリーのコーヒー生産における献身的な姿は、地域の生産者の目標となっています。
ドン・マヨは、現在までに約10の新しい農園を興してきました。このほとんどは牧草地などの土地で、元々はコーヒー農園ではありませんでした。彼らは、こうした土地を一から開拓し、植樹間隔や品種選定、施肥、収穫時のオペレーションなど綿密なまでに計算して、1本1本の苗から農園を開拓してきました。こうしたボニージャ・ファミリーの献身的な姿勢は、農園の端々まで1年間を通して十分なケアとクオリティコントロールを実現し、素晴らしい品質を毎年生み出す基盤となっています。
収穫したブルボンのチェリーを4日間、密閉したタンク内で嫌気性発酵を行います。この時に、チェリーの量に対して決まった比率の水を加えて密閉するのがドン・マヨのレシピです。彼らのミルの気候条件やチェリーの熟度、最終的なカップのバランスからレシピを決定していると言います。4日間の発酵処理が完了すると、チェリーの果肉を除去し、ウェットパーチメントにします。その後、レッドハニーのスロードライングのレシピを活かして通気の取れた室内乾燥場(3段式のアフリカンベッド)に移動し、乾燥状態に応じて段を変えながら、1カ月かけてゆっくりとスロードライを行っていきます。長年培ってきたノウハウを活かして、過度な発酵のリスクを避け、より複雑な風味を演出することに重点を置いています。
農園の管理、チェリーの収量や生産処理・乾燥において、他のコーヒーとは比較にならない手間と労力を要しています。しかし『努力を惜しまず献身的にコーヒー生産に従事する。』この当たり前のようで、誰もが真似できない事こそ、ドン・マヨの“らしさ”であり、また、自分たちの歩んできた道の中、試行錯誤の歴史の上に今があり進歩してきた。だからこそ自分たちにしか作る事ができないコーヒー、私たちが目指す豊かで多層的な味わいを持ったコーヒーができると信じていると語ります。