Q グレーダー取得しました

この度、ザグリ珈琲オーナーである「Hideaki Ohtani」がCQI Qグレーダーを取得しましたのでお知らせです。

CQI認定 Qアラビカグレーダーは、正式にはLicensed Q Graderといい、世界で唯一の国際的なコーヒー鑑定士の資格です。日本ではあまり馴染みがないですが6日間に渡って行われる厳しい試験です。日本では単に「Qグレーダー」と呼ばれることが多いですが、正確にはアラビカ種とロブスタ種の2種類があり、CQI〔Coffee Quality Institute〕が認定したアラビカ種/ロブスタ種のコーヒー豆の品質を評価する国際的に認知されたコーヒー鑑定士のことを指します。私は2021年に熱海JCEでKOJU MATSUZAWA氏から合宿形式でアラビカ、24年にSNOW BEANS LAB.でPaul K. Kim.氏からアラビカとロブスタの両方のトレーニングを受けており2024年9月時点でロブスタの資格を保有しています。2024年秋現在日本でQグレーダーを受験できるのは、東京のSNOW BEANS LAB.、神戸のUCC(2024年を最後に終了)のみ。アラビカ、ロブスタとも基本的な内容と試験の数は同じですが使用する珈琲豆の品種と一部の味覚と嗅覚の試験内容が異なります。カッピングプロトコルや採点表も異なります。

CQI認定Qアラビカグレーダー:アラビカ種コーヒー豆の鑑定士資格
CQI認定Qロブスタグレーダー:ロブスタ種コーヒー豆の鑑定士資格

資格の有効期限について
Qグレーダー資格は、初回のQグレーダー試験(全21科目)を受けた日から3年間(36ヶ月)有効です。これは初回の試験に合格した場合にも、リテイク期間にて合格した場合にも同様です。Qグレーダー資格を維持するためには、キャリブレーションテスト(資格更新試験)に合格する必要があります。

試験概要

General Coffee Knowledge

さまざまな分野においてコーヒーに関する一般的な知識を問う選択式のテストです。100問を60分で解答します。合格点に満たないと再試験がなく最初から全てのコースを受験しなくてはならず絶対落とすことはできません。

Sensory Skills

舌の味覚の試験です。コーヒー液は使用せず、それぞれのコースで溶液を単体または混合して用います。各溶液の濃度レベルは3段階あり、2試験(①各溶液の濃度順の並び替え ②各溶液の混合液に含まれている味とその味の濃度レベルの違い)実施されます。

Qアラビカグレーダーコース:Sour/Sweet/Salt
Qロブスタグレーダーコース:Sour/Sweet/Salt/Bitter

Olfactory

嗅覚に関する試験です。コーヒーに含まれることが多い36種類の香り(アロマエッセンス)を識別します。香りのグループ毎に分けて4試験実施されます。ロブスタコースとアラビカコースで、アロマエッセンスの種類が異なります。

Enzymatic/Sugar Browning/Dry Distillation/Aromatic Taint

Triangulation

1つのトレイ上に並べられた3つのカップから1つだけ異なるコーヒーが入ったカップをカッピングによって識別する試験です。トレイは1試験に6個あります。赤い光の暗室で行われます。精製方法や産出地域のグループ毎に分けて4試験実施されます。2024年夏からレギュレーションが変更となり私にとっては難易度が増しましたがロブスタでは4カテゴリとも100点満点でした。

Qアラビカグレーダーコース:①Mild ②Africa ③Natural ④Asia
Qロブスタグレーダーコース:①Latin America ②Africa ③Natural ④Asia

Organic Acid Matching Pairs

下記4種類の酸を添加したコーヒー液を、カッピングを通じて識別する試験です。1つのトレイ上に並べられた4つのカップから酸が添加されたものを選び、その酸がどの酸であるかを当てなくてはなりません。私はロブスタの時は100点満点でした。

Citric/Malic/Acetic/Phosphoric

Roasted Sample Identification

Qアラビカグレーダーコース(ARABICA)
1つのトレイ上に並べられた3つのカップから、1つだけ異なって焙煎されたコーヒーが入ったカップをカッピングによって識別する試験です。焙煎はSCA基準ロースト、ライトロースト、ベイクドロースト、ダークローストの4種類があります。トレイは1試験に6個あります。

Qロブスタグレーダーコース(ROBUSTA)
テーブル上に並べられた6検体の豆が、それぞれどのように焙煎された豆かを識別する試験です。見た目、粉砕音、液体の色、味わい等から判断し、判断理由も含めて回答します。焙煎はCQI・UCDA基準ロースト、ライトロースト、ベイクドロースト、ダークローストがあります。

Green Coffee Grading

与えられた生豆(350g)に対して、SCA(ARABICA)/CQI・UCDA(ROBUSTA)が定めるディフェクト豆を見つけ出し、その種類ごとに定められたディフェクト豆の個数に対する欠点数を計算、コーヒーを等級付ける試験です。

Roasted Coffee Grading

焙煎豆(100g)に対してクエーカー豆を見つけ出し、その個数によってコーヒーを等級付ける試験です。

Cupping

SCA方式(ARABICA)/CQI・UCDA方式(ROBUSTA)に基づき、コーヒーの官能評価をするカッピング試験。精製方法や産出地域のグループごとに4試験実施されます。

Qアラビカグレーダーコース:①Mild ②Africa ③Natural ④Asia
Qロブスタグレーダーコース:①Latin America ②Africa ③Natural ④Asia

Flavor Standards

2024年から新しく加わった試験です。フレーバーを識別する試験です。コーヒーに含まれる可能性がある14種類のフレーバーを、Qグレーダーとして認識できる能力があるかテストします。ですのでこれまでグレーダーの試験は20科目でしたが21科目となりました。この試験に使用する溶液は大変高価なため自主的にトレーニングするにはハードルが高いです。

Floral, Fruity, Molasses, Vanilla, Almond, Warming Spices, Bitter, Phenol Defect, Under-Ripe, Musty, Papery, Potato Defect, Sour

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