アイス珈琲用のタンブラーが揃いました。浅草の銅銀銅器店の職人さんの手仕事です。
1.2mm厚の一枚の銅板から丁寧に作られた芸術品とも云えるタンブラー。これがずっしりと重い。あらゆる銅製のタンブラーを色々見ましたがこの手工芸品には一目惚れです。機械製品とは雲泥の差があります。氷を入れてもなかなか溶けず長時間手が凍るような低温が続きます。銅はステンレスの実に22倍の熱電動率だそうです。内側は錫の手塗り仕上げ。一般的な機械作りの銅製品は電気鍍金による錫仕上げですが銅銀銅器店さんの錫手塗りは10倍ほどの厚みになるそう。これは一生ものの器です。
こんな具合に金槌で叩いて作られています。銅銀銅器店は大正13年創業。3代目の店主はこの道40年以上という職人さん。
銅器を叩く道具の金槌類。器によって専用の金槌を作る場合もあるそうです。
表も中も槌目打ちの文様が美しい。実は一つだけ内側を錫ではなく銅の研磨で特注仕上げにしていただきました。一般的に銅器の内側は緑青を防ぐ目的で錫鍍金してあるそうですがあえて銅剥き出し仕様。
ちなみに銅イオンは人間の体にたいへんいいそうです。緑青は昔は毒とされていましたが現代では厚生省も無害と認めています。インドのアーユルヴェーダでは銅の器に汲んだ水を飲むことを推奨しているそうです。
人体に流れている血液には無数の赤血球(ヘモグロビン)が含まれ酸素の運搬をしています。ヘモグロビンは鉄を含んでいます。銅はこのヘモグロビンが人体中で作られるとき、鉄の利用を助ける役割をしています。ヘモグロビンが足りなければ貧血となりますが、鉄があっても銅が不足して貧血になる症状は銅欠乏性貧血と呼んでいます。人は日常の食生活で毎日2~5mgの銅を各種食品から摂取し、同じ量を排泄し正常な血液を維持します。銅はまた、強力な殺菌作用があることでも知られています。
という訳で、アイスコーヒーを注文したお客さまで銅面仕上げのタンブラーをお望みの方はお声がけください。ただし銅仕上げは一つしかありませんので先客のあった場合はご容赦ください。
アイスコーヒーは水出しとエアロプレスの2種類あります。水出しは5〜6時間かけて一秒に一滴ずつ抽出します。エアロプレスは85度のお湯で6〜70秒かけて空気の力で圧縮濾過します。それぞれお味に特徴がありますので是非。水出しが売り切れの際はご容赦ください。