珈琲業務がいそがしくてなかなか自転車を触る時間がありませんがいつでも眺めれるようにBSモールトンは店に置いています。前回のBSモールトン記事からなんと!2年も経ってしまいましたがクランクはカンパの70年代の軽合金製スーパーレコードに落ち着きました。BSモールトン自体60年代にモールトン博士が設計したF型ベースなので以前まで付けていたヌメッとしたコルサよりもこのビンテージな角張ったアームの方が似合います。
ディレイラーも同時代のヌーボが似合います。アルミポリッシュ手磨き仕上げのBSモールトンフレームに溶け込んでいます。この美しいディレイラーはもはや芸術品です。
この度、当店のお客様にモールトンの自転車をお勧めする機会がありましてダブルパイロンを推していました。フレームオーダーから約1年半かかりましたがようやく日本に届き、これがステンレスポリッシュ仕上げのダブルパイロンフレームです。タイヤを付けずこのまま展示した方がいいのではと思うほどの芸術品です。
前後輪ハブは御器所チタン。ダブルパイロンと釣り合いがとれるのはこれ一択です。
以下メーカーサイトから引用文。
GOKISOは超精密工作機械メーカーであり、超精密金属切削加工、航空機ジェットエンジン用軸受の生産を手掛ける株式会社近藤機械製作所から生まれた自転車製品ブランドです。自社の設計ノウハウ、加工技術を活かし、独自の哲学を持ったものづくりから「本当に良いもの」を世に提案し、サイクリスト達に革命が起こせないか、そんな思いから2010年1月に立ち上がりました。GOKISOの名は、愛知県名古屋市の御器所町にある御器所八幡宮に由来し、また御器所町は当社の発祥の地でもあります。
自転車はパーツが重要です。パーツを見ればその自転車の持ち主のセンスがわかります。ダブルパイロンの意匠に合うのはイタリア製カンパニョーロスーパーレコードカーボンです。
パーツを広げてシミュレーション中。
そしてこれだけの自転車を組むのはこの人をおいて他には居ません。今は亡きモールトン博士から世界で唯一モールトンドクターの称号を受けた永井さん。モールトンメカニックの神様で、BSモールトンでお世話になった経緯があります。以前は目黒でコーフーというモールトン専門店をやられていて昔目黒に住んでいた頃、近所だったのでよく店に行ってはダブルパイロンやらスーパースピードやら見せてもらってました。今は店はクローズしてモールトンの整備専門です。
BSモールトンとダブルパイロンフレームと御器所やカンパなど御神体の数々。フレームは同じポリッシュ仕上げですがダブルパイロンのステンレス素材の方が光具合に深みがあります。
2024年初夏ダブルパイロンが完成し、モールトンドクターからオーナーさんの元へ無事納車されました。試乗させてもらいましたが感動ものでした!メカニカルなペダルはドイツ製のレアなパーツです。このダブルパイロンはオーナーさんのカフェで展示される予定です。都内でザグリ珈琲のコーヒーも飲める稀少なお店です。
番外編〜
ちなみにBSモールトンやチタンブロンプトンに試しに付けていた御神体「三光舎」の三大ディレイラーは店内展示中です。カタログもあります。
三光舎はもともと大正時代に久野延利氏の歯科機械製作所から始まった自転車パーツブランドでハブやフリーホイールを造っていました。戦後の焼け野原の東京でディレイラーを作り始め「プロキオン」が有名です。当時世界初の軽合金変速機で3期存在します。その時代にチタン削り出しパーツも試作していたというオーパーツぶり。機械加工設備にコストをかけすぎたために倒産してしまったとも云われる伝説のブランドです。
ザグリ珈琲は自転車販売もあります。
自転車販売
NJSフレームや激レア折り畳み自転車「KOMA」(一番右)、世界で唯一のフル改造スペイン製ゼロバイク(真ん中)にはなんとNJS競輪用BBとデュラエースクランクを装着するというクレイジーぶりです。大事にしてくれそうなオーナーさんがいたらお譲りしますのでお問い合わせください。
パーツ類はサンツァーシュパーブプロ未使用などデッドストック在庫がございます。