スペシャルティコーヒーとは?
スペシャルティコーヒーは、高品質なコーヒー豆を使用して、厳格な基準に基づいて焙煎・抽出されたコーヒーのことを指します。スペシャルティコーヒーは一般的に、風味の豊かさ、複雑さ、バランスの取れた味わいを持つとされています。
- 品質基準: スペシャルティコーヒーは、SCAなどの専門機関が定める基準に適合している必要があります。これらの基準は、豆の品種、生育地、加工方法、焙煎度などを評価し、品質の高さを保証します。
- 起源と生産: スペシャルティコーヒーは、特定の産地や農園、生産者からの豆を使用することが一般的です。特定の地理的な条件や栽培方法によって、風味や質が向上すると考えられています。また、持続可能な農業やフェアトレードなどの原則に基づいて生産されることも重要です。
- 味わいの特徴: スペシャルティコーヒーは、風味の豊かさや複雑さが特徴です。これは、生育地の気候条件や土壌、栽培方法、収穫、精製、焙煎の過程など、様々な要素によって影響を受けます。例えば、フローラル、フルーティーな香りや酸味、チョコレートやナッツの風味などが現れることがあり、このうちFloral,FruityなAromaとTastesが豊富なほど評価が高くなります。
- トレンドと創造性: スペシャルティコーヒーは、常に進化しており、新しい風味プロファイルや抽出方法が開発されています。コーヒーショップやバリスタなどの専門家は、独自のブレンドや抽出技術を通じて、より魅力的なコーヒー体験を提供することを追求しています。
スペシャルティコーヒーの定義や基準は、業界内で議論の対象となることもありますが、一般的には上記のような特徴を持っています。ただし、特定の基準を満たすだけでなく、コーヒー業界の専門家や愛好家によって高く評価されることも重要です。
スペシャルティコーヒーの評価は、専門家によるカッピング(コーヒーの味を評価する方法)によって行われることが一般的です。カッピングでは、香り、味わい、酸味、甘み、鮮度など、さまざまな要素が評価されます。スペシャリティコーヒーは、一般的にスコアが80点以上(100点満点)で評価されることが望ましいとされています。
スペシャルティコーヒーの人気は近年急速に増えており、多くのコーヒーショップやカフェがスペシャルティコーヒーを提供しています。消費者は、高品質な味わいや、生産者への関心、持続可能性への配慮などを重視して、スペシャルティコーヒーを選ぶ傾向があります。
以上が一般的なスペシャルティコーヒーの定義と特徴です。ただし、コーヒー文化や業界の変化に伴い、定義や基準は変動することもあります。スペシャルティコーヒーは、品質と風味に注目したコーヒーの一形態として位置づけられています。
COEとは?
20年以上にわたり、Cup of Excellence(COE)コンテストは、国際的なコーヒー業界における誠実さと透明性の先駆けとなっています。COEコーヒーが受ける評価は厳格です。生産国農家に、彼らの農場の経済モデルを改善するための道具を提供し、彼らの努力と苦労に対する認識と経済的報酬を与えています。〜COE公式サイトより引用
評価基準:COEコンテストでは、通常、以下のような基準に基づいてコーヒー豆が評価されます。
- カッププロファイル: 香り、味わい、酸味、甘み、バランスなど、コーヒーの風味特性が評価されます。
- クリーンカップ: コーヒーに不純物や欠陥がなく、クリーンな味わいであることが重視されます。
- 一貫性と一体性: 豆の品質が一貫しており、豆の種類や生産地の特徴を引き出す一体性が評価されます。
- 鮮度と保存: 鮮度の高いコーヒーであることや、適切な保存方法が評価されます。
- 持続可能性: 農家や生産者へのインセンティブや持続可能な農業の促進が重視される場合もあります。
採点基準
カッピングの採点は次のカッピングフォームに沿ってスコアリングされます↓。
Qグレーダーとは?
Qグレーダーとは、スペシャルティコーヒーの品質評価に携わる国際的な専門家のことを指します。アラビカとロブスタの二つQのコースがあります。Qグレーダーは、コーヒーの酸味や甘味、苦味、香りなどの特性を評価し、それぞれの特性を数値化して点数をつけます。この点数は、コーヒーの品質を表す指標となります。Qグレーダーは、国際的に認定されたライセンスを持った専門家であり、品質評価のための標準化されたプロトコルを使って評価を行います。Qグレーダーによる評価は、コーヒー生産者や焙煎業者にとって、品質改善や市場展開のための重要な情報源となっています。
Qグレーダーの歴史背景〜1999 年に、ワイン業界が全体的な品質を伝えるために 100 点満点の採点システムを採用したことに影響されて、当時のSCAA (現SCA)は、マルチパート フォームを使用してコーヒーの品質を定量化した数学的スコアリング モデルを開発しました。 同じ頃、ワイン アロマ ホイールに触発されて最初のコーヒー テイスターズ フレーバー ホイールが誕生しました。これは、コーヒーのフレーバーを、コーヒーのフレーバーの簡単な指標となる視覚的に魅力的なツールに整理することを目的としていました。 1997 年、アロマ トレーニング キットである Le Nez du Café が開発され、コーヒー業界にとって便利なアロマ リファレンスのセットができました。
これらのツールは、昔ながらのカッピングルームの伝統的な語彙 (「Rioy」、「Baggy」、「Grady」などの専門用語を使用) をセンサリー科学の新しいアプローチと統合することを目的としており、コーヒーの伝統の進化をもたらしました。
コーヒーの厳格な国際鑑定基準〜2001 年、コーヒー生産者がコーヒーの官能分析とスコアリングの手法を学び、歴史的にコーヒー価格が低迷している時代に市場支配力とコントロールを強化することを目的としたThe Coffee Cupper’s Manifestoが著されました。 コーヒーのカッピングによるセンサリー分析 は、単純な品質分析手法ではなく、コーヒー市場に力を与える普遍的な言語になる可能性があるというこの考えは、コーヒー業界全体で厳格なセンサリートレーニングを提唱することとなりました。
この頃、新しいコーヒー官能採点システムと形式が考案され、「カップ オブ エクセレンス」と呼ばれるコーヒー コンテストで使用され始めました。このシステムは、全世界的なコーヒー コンテストや受賞コーヒーのインターネット オークションを通じて、コーヒー生産者による豆の価値の正当評価を目的としています。
2001 年、新しい SCAA カッピング フォームとプロトコルが開発され、SCAA のコーヒーシステムをさらに発展させました。最初は SCAA で、次に SCAA が設立した Coffee Quality Institute (CQI) と呼ばれる団体で、コーヒーのグレーダーとテイスター教育およびテストするためのプログラムが開発されました。
Qグレーダー プログラムと呼ばれる CQI プログラムは、SCAA プロトコルについて世界中のコーヒー テイスターをトレーニングすることを目的としていました。 このプログラムを通じて、何千人ものテイスターが SCAA カッピング プロトコルと 100 点満点の採点システムを学び、普遍的でグローバルなコーヒー官能評価手法を実践し始めました。そんな訳でグローバルなコーヒー鑑定の歴史はまだ20年程度と歴史は浅いのです。
Qグレーダー3名によって審査を受け基準に達したコーヒーのみQ認証コーヒーと呼ばれます。
スコアリングシート
公平公正な評価のためのSCAカッピングフォームでは次の10項目の評価を設け点数(スコア)をつけています。
- Fragrance/Aroma フレグランス[粉の香り]/アロマ[ブレイク時に熱い液体から漂う香り]・オルソネーザル
- Flavor フレーバー[オルソネーザル、レトロネーザル両方の香りを含む味わい]
- Aftertaste アフターテイスト[口の中の余韻)
- Acidity アシディティ[酸味の質]
- Sweetness スウィートネス[甘さ]
- Body ボディ[口当たり、質感]
- Balance バランス[前項目のシナジー効果、補完、バランス]
- Clean Cup クリーンカップ[欠点や雑味のなさ]
- Uniformity ユニフォーミティ[均一性]
- Overall オーバーオール[個人的な評価]
スコアリングにはルールがありそれに従い合理的かつ厳正に客観的に数値化が行われます。
2023年SCAコーヒー価値評価プロトコルCVA(Coffee Value Assesment Protocol)が公開されました。 SCAは、2004年のコーヒーカッピングプロトコルをより全体的なコーヒー価値評価システムに評価、拡張、発展させる長期プロジェクトを発足させました。この新しいシステムでは、記述描写評価「Descriptive」と主観感情評価「Affective」に分類し「CATA」を用い、これまでのSCAカッピング評価システムの問題点を解決する方向に向かって進んでいます。
Coffee Value Assessmentについてもう少し知りたい方は次のコンテンツをどうぞ↓。
Coffee Value Assessment
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