フジローヤルのディスカバリーを使い始めましたが焙煎していて気になった部分が2〜3ありましたので色々と改造中です。使い慣れているギーセンを始め、韓国製のLINKやストロングホールドなどのロースターは熱火力以外にドラム回転スピードや釜内部風量を細やかに変えることができるため豆に応じた様々な変数可変型の焙煎が可能です。最初からこの可変改造目的で入手したディスカバリーでしたがこの度インバータ化に成功しました。
排気風量アップ
一つ目は排気。火力を強めにした場合にギーセンと比べると排気風量が弱い気がしました。ダンパーを全開にしても思うようなプロファイルにならなかったので、モーターをチューニング。ベアリングを最高性能回転の玉にしようと試みました。手でちょっと触るだけで永遠に回るんじゃないかと思えるほどノーマルとは別次元です。しかし軸とベアリングが固着されているため断念↓。
とりあえず海外の200ボルト環境で使う強力な三相モーターに換えることにしました↓。
先月完成させた1kg機R-101の改造で余ったモーターが多数ありますので再利用。ドラム回転と風量回転制御でありとあらゆるパターンのテストしましたので今では超高性能焙煎機をオリジナルで作り上げる自信があります↓。
日本は世界で唯一の電力後進国です。いまやアジアを含めて諸外国がほとんど200Vになりましたが我が国は貧弱な100Vコンセント環境なため電気が弱いです。韓国製などで高性能な焙煎機が続々誕生している要因はこの電力事情によるものなのです。
しかも日本は西と東では関西の方が2割も強いモーター回転なのですから関東以北区域の人らは悔やんでも悔やみきれません。焙煎機のようなモーターパワーを活かすような機械に日本製の高性能なものは望めないのが現状です。そこで必要になってくるのがインバータ技術です。インバータを介せば、50Hz/60Hz区域の区別なく一気に120Hzまで爆速化できるという夢のような話で関西の倍返し可能です。このインバータのような変換機を作る技術分野は日本は優れているのです。パナソニック、三菱、東芝、富士電気などからは高性能インバータが用意されていますし無名の町工場などでも驚くべき高性能な変換器が存在します。変換器に関してはネットで安価な外国製を買うのはお勧めしません。これで、内部風量アップ&ダンパーに頼らず風量可変になります↓。
センサー位置の適正化
二つ目はロースティングプロファイルです。ノーマル機は豆温度だけを測れるようになっているのですが釜のだいぶ上の方に付いています。多分、釜が小さいのでスプーンの抜き差しで温度に影響があることを考慮して釜の上を測っているのだと思います。釜内部環境温度だけ測っていれば問題ないのですが排気管も測るとなるとギーセンのような焙煎曲線にならないため釜から排気管へ接続する部分へセンサーを増設してET(Envilonment Temp)を測れるようにしたのですがロースティングカーブのETとBTの関連性を見るとどうにも納得がいかず豆温度センサー位置を検討。
100グラムの豆を焙煎する場合は以下の画像のように正確に豆の位置を測ります↓。
釜から立ち上る熱気を測れるようにETセンサーを付けました↓。
これで、問題なく測れるようになりました。100グラムのエチオピアのNをサンプルローストしアルチザンでログ。美しい曲線を描いています↓。
他にドラム回転も変えられるようにしましたので火力以外に豆への火入れを微調整可能です。生焼け焦げすぎ皆無で適正焙煎できるようになりました。ドラム回転記事はこちらをご覧ください。
現時点での改造例。モーターには空冷ファンなどで耐熱処理していませんのでいずれ壊れるかもしれないです。ただ、ノーマル機でも空冷ファンが付いているとはいえモーター本体はかなりの高熱で手で触れないほどです。モーターを分解したところ銅線が巻いてあるベアリング軸を電磁石で反発させるだけの単純構造ですので銅線が溶けない限りは高熱でも耐えられるのかもしれません。しばらく耐熱テストしてみて大丈夫なようでしたらインバータ化も当店の改造メニュー化を考えています↓。
ディスカバリー本体が鉄板も分厚くしっかりとした造りですのでそれに見合うようにモーターコントロールボックスやインバータは頑丈な金具でしっかり取り付けてあるためグラつきません。しかも既存のネジ穴を利用して取り付けていますので本体に加工はしておらず安心です。インバータは現在試験運用ですが来月には耐熱型強力シロッコファンに換装して排気風量は更に上げる予定です。
サンプルロースト教室のご案内
世界で唯一、超高性能なディスカバリーの暫定完成です。隣のギーセンフルオート機にも全くひけを取らない自在に風量や回転速度可変のすごいロースターになってしまいました。100グラムの生豆を焙煎するサンプルロースト教室ありますのでノーマルのディスカバリー使っている人、ぜひお試しください。豆は持参いただいてもこちらで用意してもどちらでも可。
*ただいま、ノーマルディスカバリーを1年以上使用しある程度使い慣れている方、ノーマルとの比較感想いただけることを条件に割引中です。