トリゴネリン

トリゴネリン

🧪 トリゴネリンとは?

トリゴネリン(Trigonelline)の化学式は:

C₇H₇NO₂

🔬 詳細情報

項目 内容
化学名 1-Methylpyridinium-3-carboxylate
分子式 C₇H₇NO₂
分子量 約 137.14 g/mol
構造 ニコチン酸(ナイアシン)のN-メチル化体

**トリゴネリン(Trigonelline)**は、コーヒーに含まれるちょっと地味だけど超重要な成分のひとつ。焙煎や抽出によっていろんな変化を起こし、味や香りに意外と大きく影響します。

  • アルカロイドの一種(ニコチン酸のメチル化体)
  • 生豆に約 0.6〜1.2% 含まれている
  • 水溶性なので、抽出時にしっかりカップに出る

🔥 焙煎による変化

✅ 200〜250℃あたりで熱分解

トリゴネリンは焙煎の加熱により以下の成分に変化します:

  1. ニコチン酸(ナイアシン / ビタミンB3)
  2. ピリジン類(独特の香ばしさ、コーヒーらしい香り)
  3. その他の揮発性アルカロイドや芳香族化合物

➕ 味と香りへの影響:

成分 味・香りの印象 焙煎との関係
トリゴネリン(未分解) 軽い苦味、クリーンな口当たり 浅煎りに多く残る
ピリジン類 ロースト香、香ばしさ、ナッツ香 中深煎り以降で増加
ナイアシン 味には影響しないが栄養価あり 中深煎り以降に生成される
焙煎度 トリゴネリンの役割 味への影響
浅煎り 多く残る → 苦味が少なくクリーン 爽やか、雑味が少ない
中煎り 分解が進み香りに貢献 香ばしさ、バランスよく
深煎り ほぼ分解 → 香りの主成分へ 焦がし香、ローストナッツ感強め

🎯 焙煎・抽出の実践ポイント

  • 浅煎りで雑味の少ないカップを狙うなら、トリゴネリンの残存を意識。
  • 香り豊かな中深煎り~深煎りでは、ピリジン由来の香りがポイントに。
  • 抽出時に過度な高温を避けることで、ピリジンの過剰抽出による刺激臭を防げる。

✍️ ヒント

  • 「**トリゴネリンは“苦くないアルカロイド”**と覚えてください」
  • 焙煎すると“香りの素”に変身します
  • 浅煎りでの透明感と深煎りでのロースト香、両方に関わる不思議な成分です

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