2024年11月21日 15:20最新の情報です

雲南の珈琲豆

ニュークロップ雲南

雲南省のコーヒーマップ

雲南省は中国南西部に位置する省で南部はコーヒーベルト地帯に入ります。面積は日本とほぼ同じで人口は4858.3万人(2019年)でそのうち1600万人が少数民族で、多様な文化と自然が残る省です。ラオスとミャンマー国境に隣接するエリアはアラビカコーヒー豆の産地として知られており近年の統計ではアラビカ種の生産量は世界第10位以内に入ります。★印のついた地名がコーヒーを生産するエリアです。
雲南省のコーヒーマップ

DEHONG Traditional Washed

雲南省からの珈琲豆、今年も届きました。数年前より雲南省の豆は試していますが今年は大変クリアなデーホン産のカティモールのウォッシュドの豆をチョイス。ニュークロップを7種類ほどカッピングしましたが私はこの豆がベストだと思いました。上質なケニアのようで驚くほど綺麗なコーヒーです。
雲南デーホンWashed

雲南北側に位置する徳広(デーホン)地域の小さな農園から生産されたマイクロロットのウォシュッド、小規模な農園ではありますが、標高の高い地域のみコーヒーを栽培し、上質なスペシャルティコーヒーだけに専念しています。そして精製処理については、農園主のこだわりにより嫌気性発酵などを実施せずに伝統あるウェットファーメンテーションのウォシュッドに仕上げています。標高の高い完熟したコーヒーチェリーを収穫後、そのままアンパルプして、パーチメントコーヒーを一晩水に浸してミューシレージを取り除きます。その後アフリカンベッドで目標の含水率になるまで天日乾燥させ、パーチメントコーヒーの状態で寝かせます。

高い標高で栽培されているため、激しい昼夜寒暖差によって高密度なグリーンビーンズになっており、柑橘系の明るいアシティティーとホワイトフラワーのような香り、冷めてくるとダージリンティーのような華やかさも感じられます。プロセスによっての影響を最小限にした、ありのままの雲南スペシャルティコーヒーです。

豆名:
Name
DEHONG Traditional Washed
生産地:
Region
DEHONG
農園:
Farm
NANDI Coffee Farm
標高:
Altitude
1580-1720m
品種:
Varietal
Catimor
精製:
Process
Washed
Tasting notes Floral , Mandarin Orange , Darjeeling Tea

PUER Double fermentation

雲南省プーアル産コーヒー

雲南 プーアル かもめの天空農園 ナチュラル ダブルファーメンテーション

かもめの天空農園の2024年ニュークロップ。他に2023年クロップもあります。雲南は年々洗練されてきているように思います。中にはコロンビアのエルパライソ農園と同じようなフレーバーの豆もあったりします。5年ほど前はどっしりとした重めの質感を持つ発酵豆もありましたが近年は割とさらっとしてクリアなファーメンテーションが多いです。

2024年カフェレス
2024年7月に東京ビックサイトで行われたカフェレス2024にも雲南の農園がいくつか出展していました。発酵系の豆はありませんでしたがお茶のような割とさっぱりした味わいが多かったです。

豆名:
Name
Double Fermentation
生産地:
Region
PUER
農園:
Farm
KAMOME Coffee Farm
標高:
Altitude
1700m
品種:
Varietal
Catimor
精製:
Process
Double Fermentation
Tasting notes safran,stone-fruits, winey, citric, ume,complex, bright, good-body

プーアル地区の珈琲農園
PUER(プーアル)地区の珈琲農園/写真引用:MOUNTAIN MOVER
雲南省のコーヒー産地は平均標高が約1500m-2200m前後、北西部にチベット自治区と接するため、平均標高が3000m-4000mの間に位置します。全体的に地形が複雑で、昼夜の温度差が大きく、気候も多様であるため、動植物相が中国一最多で非常に豊富です。北部麗江市は現代に残る象形文字であるトンパ文字を使うナシ族で知られています。
雲南省麗江市近辺の地図
トンパ文字〜Wan Chao-Yingより引用

南西部では、珈琲栽培が盛んでグーグルアースでは新しくできたと思われる珈琲畑も確認できます。ほとんどがカティモール種の栽培で、シーシャンバンナーやプーアルではジャマイカから導入されたティピカ種も栽培しています。

雲南省

プーアル地区の珈琲農家
PUER(プーアル)地区の珈琲農家/写真引用:MOUNTAIN MOVER

雲南省のコーヒー栽培は主に怒江(サルウィン川)、瀾滄江(らんそうこう)、紅河(こうが)、金沙江(きんさこう)等の流域周辺、約800m-1800mの熱帯地域に分布されています。現在、雲南省でのコーヒー栽培面積は1500平米キロメートル前後、総生産量は15万トンから17万トン位。

保山(バオサン=BAOSHAN)精製発酵風景

yunnan baoshan
yunnan baoshan
yunnan baoshan
保山(バオサン=BAOSHAN)精製発酵風景/写真引用:MOUNTAIN MOVER

雲南省では1892年にフランス宣教師からコーヒー種を導入して以来、様々な地域に栽培され、現在最も栽培されている品種はカティモール(Catimor)系であり、中でも多様な改良品種や実験品種が存在しています。そのほか、ティピカ(Tipica)、イエローブルボン(Yellow Bourbon)、カトゥアイ(Catuai)も栽培されています。今後、多様なコーヒー品種を楽しむことが期待できます。

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