最新型フレーバーホイールをスマホ用壁紙、プリント用画像をQRコードでダウンロードできるようにしました。ページ下部にあります。フレーバーホイールについて知りたい方はこのページをよくお読みください。
SCA コーヒーフレーバーホイールについて
SCA(Specialty Coffee Association)のコーヒーフレーバーホイールは、コーヒーの専門家や愛好家にとって、コーヒーの風味や香りを正確に評価し、表現するための重要なツールです。このホイールは、コーヒーのテイスティングを行う際に利用され、特に高品質なコーヒーのプロファイリングや品質評価において役立ちます。
SCA コーヒーフレーバーホイールの構造
コーヒーフレーバーホイールは、同心円状に配置された視覚的なツールであり、コーヒーの風味を広範なカテゴリから具体的なカテゴリへと階層的に分類しています。これにより、コーヒーの風味を詳細かつ的確に表現することが可能です。
1. 同心円状の構造
ホイールは、内側から外側に向かって、コーヒーの風味がより具体的で詳細になるように設計されています。たとえば、内側には「フルーティー」や「フローラル」などの広範なカテゴリがあり、外側に進むにつれて「BERRY(ベリー)」や「CITRUS FRUIT(柑橘類)」、「JASMINE(ジャスミン)」や「ROSE(バラ)」など、さらに細分化された風味が示されています。
2. 色分けされた風味カテゴリ
各風味カテゴリは、直感的に理解しやすいように色分けされています。たとえば、フローラルな風味には明るい色調が、スパイシーな風味には濃い色調が使用されています。これにより、コーヒーのテイスティング時に、感じた風味を視覚的に容易に捉えることができます。
3. 風味の階層的分類
ホイールは、風味を階層的に分類しており、最も広範なカテゴリから始まり、より具体的な風味へと進んでいきます。この階層構造により、コーヒーの風味を詳細に分析し、特定の風味を明確に表現することが可能です。下図のようにFRUITY→BERRY→STRAWBERRYと階層的に示されている通りです↓。
4. 多様な風味カテゴリ
2016年と1995年のフレーバーホイールの両方を見ると、フルーティー、フローラル、ナッツ、スパイス、甘味、ロースト、酸味、苦味など、多様なカテゴリが含まれています。これにより、どのようなコーヒーの風味でも的確に表現でき、コーヒーの特徴を共通の言語で共有することができます。
SCA コーヒーフレーバーホイールの利用方法
このフレーバーホイールは、特に以下のような状況で利用されます。
- コーヒーの品質評価:コーヒーの専門家が、コーヒーの品質を客観的に評価する際に使用します。
- テイスティングトレーニング:Qグレーダー育成プログラムなどコーヒーの風味を学ぶためのトレーニングで、特定のフレーバーを認識し、言葉で表現するスキルを養います。
- コーヒープロファイリング:コーヒーの生産者やバイヤーが、コーヒー豆の特徴を理解し、最適なローストプロファイルを決定する際に役立ちます。
共通言語としての珈琲フレーバーワードはセンサリーレキシコンとして公開されています↓。
フルーツ類やハーブ、スパイスなどを日常的に経験するのはもちろんですがフレーバーキットも利用します↓。
フレーバーとカッピング。フレーバー単語がわかっていても正確に味を取るのは難しいです。本当に珈琲は奥が深い飲み物。
2024年型ザグリ珈琲のフレーバーホイール
とはいえ手書きのフレーバーホイールを推奨するわけにも行きませんから一般配布用にデータ化しました。しかし味と香りを的確に識別し表現するためのツールとして考えた場合2016年と1995年のそれぞれのホイール単体では足りない部分があります。そこで両方を合体させました。メインは2016年版オリジナルを参照し、アロマとテイストに分岐した1995年版を補足として使います。それぞれのアロマカテゴリーやネガティブ要素、テイスト要素までも網羅しているため最も理に適ったフレーバーホイールであると思います↓。
2025年型ザグリ珈琲のi-Phone壁紙フレーバーホイール
アイフォンの壁紙化しました。QRコードで即読み込み共有ができるようにしました。これまで当店で浅煎り豆購入のお客様などへパネル額装フレーバーホイールを差し上げていましたが2024年の夏からスマホの壁紙配布に変更しました。
特徴:1995年と2016年のフレーバーホイールを推敲するつもりで再構築。大前提として用語は全て公式SCAフレーバーホイールの原文ままです。まず、上画像のように2016年ホイールの外側ディスクリプション名詞をグラフの外ではなく中に配置し直しました。中に配置した時に色のついたスリット背景がフォントの可読性を阻害するため黒フチを追加しました。従前より、外側にあるデザインが疑問でしたので内側に再配置することによりグラフ円を大きくデザインすることが可能となりました。1995年ホイールのアロマの外側のディスクリプションを削除、これらは2016年ホイールを参照するため第4カテゴリーまでで十分です。1995ホイールの色を2016の色に合わせました。フォントは全てライノタイプヘルベチカ87black Condensとウェイトを強調し背景を黒にしました。
左上QRはWEBサイト、右上はインスタzaguricoffee 、真ん中が壁紙画像ダウンロード。
ラテンアメリカ珈琲農園必携のコーヒーフレーバーホイール
交流のある中南米のQグレーダーへスペイン語版スマホ用フレーバーホイールを提供しました。現地農園のネイティブチェック済みで完璧な仕様となっております。QRコードでダウンロードしスペイン語圏の珈琲農園の方々が誰でも利用できるようにしましたのでどうぞご利用ください↓。
たぶん印刷して使うこともありそうなのでプリント用途に白地ベースも作りました。背景の明るいベージュはSCAオリジナルカラー。インスタ@zaguricoffee
英語版フレーバーホイールブラック↓ダウンロード
英語版フレーバーホイールホワイト↓ダウンロード
まとめ
SCAのコーヒーフレーバーホイールは、コーヒーの風味を深く理解し、他の人と共有するための強力なツールです。このホイールを使用することで、コーヒーのテイスティングを通じて、コーヒーの特徴をより正確に評価し、表現することが可能になります。コーヒー業界における品質評価やプロファイリングの際には、欠かせないアイテムです。
補足:コーヒーフレーバーホイールとは?
コーヒーの官能評価は、古くは1922年のukerの著書「All About coffee」内でカップテストとして始められていました。カップテストを行う人は「カッパー」と呼ばれカップを介してテストすることを「カッピング」と云います。カッピングは見習い制度を介して非公式に教えられ、生豆業者や焙煎業者に限定されているものでした。1800〜70 年代のコーヒーの品質と鮮度に重点を置いたスペシャルティ コーヒー運動の出現により、古い習慣に新たな関心がもたらされました。
1984年、アメリカ スペシャルティコーヒー協会 (SCAA) のテッドリングルは、コーヒーカッパーズハンドブックの初版を書きました。これは、コーヒーの官能分析に大きな革命をもたらしました。コーヒーのテイスティングは、誰でも実践して学ぶことができるテクニックだが、「体系的かつ厳密でなければならない」という考えを強調するものでした。この研究でリングルは、急成長しているセンサリー科学の分野からの洞察を統合し始め、ローズ マリー パンボーンの出版物を参考に、コーヒーのフレーバーを説明する約150 の用語を含むコーヒーの初期の「原語辞書(proto-lexicon)」を導入しました↓。
SCAA/CQI/WCR/COEの関連性
2001 年、Paul Katzeff は The Coffee Cupper’s Manifesto を作成しました。これは、コーヒー生産者がコーヒーの官能分析とスコアリングの手法を学び、歴史的にコーヒー価格が低迷している時代に市場支配力とコントロール強化を目的とした文書です。
コーヒーのカッピングによるセンサリー分析は、単純な品質分析手法ではなく、コーヒー市場に力を及ぼす共通言語になる可能性があるというこの考えは、コーヒー業界全体で普遍的なセンサリートレーニングを提唱するきっかけになりました。 この頃、ジョージ・ハウエルは新しいコーヒー官能採点システムと形式を考案し、「COE(カップ オブ エクセレンス)」と呼ばれるコーヒー コンテストで採用され始めました。このシステムは、各国のコーヒー コンテストや受賞コーヒーのインターネット オークションを通じて、コーヒー生産者のエンパワーメントとより良い価格向上を目的としています。
2001 年、Ted Lingle と共同研究者は新しい SCAA カッピング フォームとプロトコルを開発し、SCAA のシステムを更に発展させました。これにより、最初は SCAA で、次に SCAA が設立した 「Coffee Quality Institute (CQI) 」と呼ばれる団体で、コーヒーのグレーダーとテイスターを教育およびテストするためのプログラムが開発されました。Qグレーダー プログラムと呼ばれるCQIプログラムは、SCAAプロトコルに基づいて世界中のコーヒーテイスターを共通言語をベースにトレーニングすることを目的としています。
このプログラムを通じて、SCAA カッピングプロトコルと100 点満点のスコアリングシステムを学び、普遍的でグローバルなコーヒー官能評価手法を実践し始めました。2008 年、ティム シリング博士が率いるコーヒー研究者のグループは、SCAA の100ポイント コーヒー カッピング テクニックを使用して改善されたコーヒー加工技術を開発するための体系的な研究実験を始めました。
この実験は、SCAA カッピング スコアをコーヒーフレーバー記述子にリンクすることは簡単な作業ではないという結果から、「ワールド コーヒー リサーチ (WCR) 」と呼ばれる新しい機関の設立と、センサリー科学の分野からの技術の再調査という2つのことに繋がりました。 コーヒー研究ではめったに採用されていなかった定量的官能記述分析手法がSCAA手法よりも研究に適していることに気づき、エドガー・チェンバーズが率いるコーヒー研究のための正式で科学的な「辞書」を開発するプロジェクトがカンザス州立大学でスタートしました。
1999 年に、ワイン業界が全体的な品質を伝えるために 100 点満点の採点システムを採用したことに触発されて、Lingle と SCAA の協力者は、数学的スコアリング モデルでコーヒーの品質を定量化しました。また同じ頃、アン ノーブルのワインアロマ ホイールに触発され、Lingle は最初のコーヒー テイスターズ フレーバー ホイールを開発しました。
これは、コーヒーのフレーバーを、コーヒーのフレーバーの指標となる視覚的なツールに整理することを目的としていました。1997 年、Jean Lenoir は、コーヒー テイスター向けのアロマ トレーニング キットである Le Nez du Café を開発し、コーヒー業界にとって便利なアロマ リファレンスのセットを提供しはじめました。
1995年のフレーバーホイールを使う
新しいフレーバーホイールに不足している部分は古いフレーバーホイールを使います。新しいものよりも項目が多く、コーヒーのポジティブなフレーバーを表すものとネガティブな汚染や欠点を表すものが分岐されています↓。
1995フレーバーホイールは「Enzymatic」「SuggarBrowning」「DryDistillation」「AromaticTaints」に分かれており生豆由来、焙煎由来などから来るフレーバーが理解しやすい。内容はそのままに新しくデザインし直すことにしました。
オリジナルは横に並んでいて枠線が黒でしたが、縦に並べ替えて枠線を白ヌキに。カナモジカイ由来の英語のデザイン要素を持つカタカナ表記による日本語ローカライズ。デザインがかなりブラッシュアップできました↓。
その他フレーバーホイール
上記2つはコーヒーの国際的な公的機関であるSCA (米国スペシャルティコーヒー協会) によるフレーバーホイールですが、海外でも日本でも時々、オリジナルのフレーバーホイールを目にします。SCAでは民間のフレーバーホイールも認めていますので独自のフレーバーホイールをデザインすることも可能です。
Counter Culture Coffeeで配布しているデータを基に一から全部イラストレータで描き起こし日本語データ化しました。フレーバーは細かい要素で分岐されています↓。
単語以外にも表現の強弱形容詞も表されており使い勝手が良い↓。
カナモジカイ由来オリジナルフォントで日本語イラストレータ化。昭和時代に現在の伊藤忠商事創始者伊藤忠兵衛などを中心として盛り上がった日本語から漢字をなくしてカタカナ表記に統一しようとする運動の中で生まれたカナモジカイフォント。スクエアな枠に収まる日本語を上下に強弱をつけたアルファベットのような形状を持つカタカナです。一つ一つはアンバランスなデザインでも単語や文章として配列された時に読みやすくなるフォントです。しかもデザイン性が優れています。
Counter Culture CoffeeのフレーバーホイールがSCAと異なるのは、要素が全てポジティブであること。欠点要素がありません。スパイス系やロースト系も普段のカッピングでよく使う用語が多様。特に「Soy Sauce」醤油など和風なフレーバーも並びます↓。
ドライフルーツ系、チョコレート系、ベリー系も充実↓。
その他フレーバーホイール
コーヒーの教科書などを出している海外の出版社のフレーバーホイール。酸味、甘味、塩味に加えて苦味、うま味まで網羅しています。ワインソムリエ資料ではこれに「コク」が加わり人間に知覚できる味覚とされますが、珈琲の場合は「ボディ」=「コク」と表現されマウスフィールカテゴリに分類されておりアストリンジェン(渋味)などと同列で示されます。ディスクリプションがないシンプルなホイールですがよく見ると温度帯の高低、抽出時間によるフレーバーの違いまでをも表しています↓。
coffeemind製のシンプルなこのフレーバーホイールは、酸味、甘味、塩味、うま味が同列表示されています。日本語の旨味は英語化されています。
SCA公式コーヒーフレーバーホイール
総括として最新版の英語表記が一番使いやすいです。シンプルで色わけが直感的です。この公式フレーバーホイールを基準として補足的にその他のフレーバーホイールを参考にしています。
SCAフレーバーホイールの翻訳の中でわかりにくかったバニラとバニリンの違いがわかりました。先日国際見本市会場で国内外のスイーツに関するイベントがあり、海外のフレーバー関連企業が出展しておりバニラ専門商社の方から教えていただきました。日本では馴染みのないナッツやスパイスなども扱う会社も出展しており大変勉強になりました。様々なバニラ品種をテイスティングさせていただき同じバニラでも違いがあるのがわかりました。香りなどのフレーバーに関しては書籍やネットなどで知ることは不可能で、経験しないと表現不可能です。 バニラは蘭科の植物でマダガスカル産などが有名ですが世界中で多くの品種が栽培されています。最近では日本でも沖縄産などがあります。しかし中には毒性を持つ品種もあり国際基準で食用として認められているのはプラニフォリアとタヒテンシスの僅か2種類だけだそうです。 よって食用としての解釈からバニラの翻訳を「プラニフォリアとタヒテンシス」としました。プラニフォリアはブルボンバニラとも云われ、現在主要なバニラ生産地であるマダガスカル島沖に位置するレユニオン島(旧称ブルボン島)由来、タヒテンシツはタヒチ島由来の品種です。バニリンとは「バニラの種と種の間に含まれるバニラの甘い香りの主成分」のことです↓。
焙煎教室ではフレーバーホイールの活用法など。
紅茶に興味を持った理由は、2016SCAコーヒーフレーバーホイールのエンザイマチック/フローラルフレーバーカテゴリーの始まりがBlackTeaであることも関係します。
紅茶との比較実験
珈琲と紅茶それぞれのカッピングレギュレーションに沿い超硬水と超軟水での抽出比較カッピング。興味深い検証結果は教室などで話しています。
紅茶は色々な国や団体で個別にフレーバーホイールを作っているようです。
紅茶を中心にしてそれぞれのフレーバーの言語表現を珈琲と比較してみました。
紅茶には旨みやとろみなどの表現がありますがSCAが策定する珈琲言語には旨みがありません。ただ、独自にコーヒーフレーバーを作成しているラボには該当する表現があったりします。
紅茶の表現には他に水色(すいしょく)がありオレンジ色だったり黄金色だったり美しいです。紅茶やワインでは渋みはポジティブ表現ですが珈琲ではネガティブ表現です。また、一部それぞれの表現でポジティブとネガティブが逆転しています。
台湾茶のフレーバーホイール
台湾茶に興味を持ち飲み歩くようになり台湾のお茶のフレーバーホイーがあるのを知りました。
台湾ではフレーバホイールを漢字で「風味輪」と表します。清香型球形烏龍茶、清香型條形包種茶、台湾紅茶、台湾綠茶、東方美人茶、焙香型球形烏龍茶と6種類のお茶からなり、フレーバー大カテゴリー「香り」「滋味」
中カテゴリー
香り〜「花」「果物」「甘い」「青葉」「根菜雑穀」「焙煎」「その他」
滋味〜「あじ」「口当たり」
小カテゴリー
花〜「清い」「濃い」
果物〜「緑の果物」「熟果」「ドライフルーツ」
甘い〜「ミルキー」「砂糖」「蜜香」
青葉〜「草」「ハーブ」「野菜」「豆」
根菜雑穀〜「ナッツ」「シリアル」「根菜」
焙煎〜「ベーキング」「焼け味」
その他〜「木質」「漢方薬」「スパイス」「醸造」「古い味」「海洋」「化学製品」
あじ〜「旨味」「鹽味」「苦味」「甘味」「酸味」
口当たり〜「純度」「繊細さ」「舌触り」「濃厚さ」「余韻」
と詳細に分類され、さらにディスクリプションへと続きます。
果物カテゴリーだけでも、「緑の果物」〜オリーブ、グアバ、青梅、棗、梨、レモン、青リンゴ、青い柿
「熟果」〜マンゴー、りんご、ライチ、桃、釈迦頭、ぶどう、イチジク、いちご、ブラックベリー、パイナップル、トマト、杏、パッションフルーツ
「柑橘果実」〜レモン、文旦、蜜柑
「ドライフルーツ」〜干し龍眼、ドライピーチ、ドライスモモ、ドライトマト、ドライマンンゴー、梅干しetc…
など分類は多岐に渡り6種類の台湾茶を楽しむのに役立つフレーバーとなっております。
フレーバーホイールのフルーツについて
日本では幸運なことに四季折々の様々な果物を楽しめます。秋には西洋梨「PEAR」一つとっても山形産のラ・フランスがポピュラーですが新潟産のルレクチェや長野、静岡あたりの西洋梨も出回ります。
フレーバーホイールに記載の柘榴「POMEGRANATE」もそれがアメリカ産なのかイラン産なのかそれとも日本の路地なりの品種でもその酸味の強度は様々です。
柑橘の場合は愛媛など単にORANGEだけでは括れない様々な品種があります。写真は昔愛媛で仕事をしていた時期に柑橘ばかり食べていましたのでその時に分類した写真です↓。
ザグリ珈琲の店長は山梨の果樹園農家ですので桃の糖度一つとっても個体によって様々です。この写真は一個ずつ糖度を測ったもの。収穫年の気候によって左右されますがよく晴れた日が続く年の桃は糖度22度オーバーの個体もありました↓。
マスカットについては、あまりもに奥が深い。ザグリ珈琲店長の実家のシャインマスカット↓。
台湾茶のフレーバーホイールに記載の「龍眼」。初夏に日本でも出回るようになりました。フレーバーの感想としては味の薄い「ライチ」。ライチフレーバーだけど強度が弱い場合に使えそうです↓。
あとフレーバーホイールに一切記述のない果物の女王と呼ばれるマンゴスチン。タイやベトナムではポピュラーなフルーツですが日本でもようやく2023年からタイ産マンゴスチンが蒸熱処理していない生の状態で輸入されるようになりました。ずっと興味がありましたがようやく日本でも食べれました。タイ産は5〜7月まで楽しめます↓。
果物で何が一番好きかと言えば個人的にはパッションフルーツ。その歴史は古く明治時代から沖縄で栽培されていたそう。初夏〜夏にかけて沖縄産、鹿児島奄美産、小笠原産が東京でも楽しめます。個人的には奄美産が一番好きです。マンゴスチンとパッションフルーツ↓。
珈琲のフレーバーを学習するには上質なお菓子なども役に立ちます。果物のフレーバーを繊細に封じ込めた村上開新堂クッキー。東京店のクッキーやチラシはもはや芸術品↓。
京都店のクッキーとチラシ↓。
手書きフレーバーホイール
どこまで細かく書けるか?文房具の進化により様々な色の細かいペンが作られるようになりました。
当店では超貴重な昭和前期に著された手書きの書物を数多く蔵書しています。デザイン出版業界の効率化と合理化の流れの中で世の中に出ることなく埋もれてしまいましたが手書き文字の微細度と芸術性を競ったそれらの資料は門外不出の美しさ。そんな先人たちに習い写経代わりに写フレーバーホイールを実践しています。次の資料(草間京平監修)写真は最期の名人である小針美男の手による精密な手書き文字。
フレーバーとカッピング。フレーバー単語がわかっていても正確に味を取るのは難しいです。本当に珈琲は奥が深い飲み物。
ペン先がロットリングの0.1ラピットグラフ並みに細かければいいのですが今の0.3mmペンではこれが限界。そして悲しいことにロットリングの旧ラピットグラフは製造中止だそうです。昭和時代の新品未開封のロットリング0.1製図セットを持っていますので上手に書けるようになったら開封するつもりです。
2024年型ザグリ珈琲のフレーバーホイール
とはいえ手書きのフレーバーホイールを推奨するわけにも行きませんから一般配布用にデータ化しました。しかし味と香りを的確に識別し表現するためのツールとして考えた場合2016年と1995年のホイール単体では足りない部分があります。そこで両方を合体させました。メインは2016年版オリジナルを参照し、アロマとテイストに分岐した1995年版を補足として使います。それぞれのアロマカテゴリーやネガティブ要素、テイスト要素までも網羅しているため最も理に適ったフレーバーホイールであると思います↓。
強弱、ネガティブ、スコアリング、補足事項、アラビカとロブスタの相違点まで網羅したQ鑑定トレーニングのためのアルティメットフレーバーホイール