焙煎の本
近年焙煎本を2冊出しているSCOTT RAO/アメリカの本を紹介します。焙煎は化学(科学)です。
SCOTT RAO
スコットラオの本の中では「RoRを投入から排出までスムースに下げる」という理論を実例プロファイルで紹介しています。それぞれのグラフは単なる紹介であり、同じように焙煎すればコーヒーが美味しくなるという訳でもありませんのであくまで参考として見るのが良いかもしれません。RoRとは「Rate of Rise」の略で一定時間(珈琲焙煎の場合30秒または1分)あたりの温度上昇率のことです。2014年に出版された「THE COFFEE ROASTER’S COMPANION」に続き2019年出版の「COFFEE ROASTING」を出しています。導入部分では次のような言葉が綴られています。
「2014年に The Coffee Roaster’s Companion (以下CRC) を執筆したとき、焙煎に関する自分の考えをどのように表現すればよいかわかりませんでした。当時、プロの焙煎に関する本はありませんでした。コーヒー業界には、焙煎について生産的な議論を行うために必要な共有語彙や理解が不足しており、ほとんどの焙煎業者は、おそらく秘密を漏らしたり、間違っていることを恐れたりして、自分の考えを共有することをためらっているようでした。
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ほとんどの読者がどれだけの知識や経験を持っているか確信が持てなかったので、あらゆるレベルのロースターに役立つことを願って、CRCを書きました。過去4年間で、世界中の焙煎業者は、デベロップメントタイム比率や一定の上昇率 (ROR) の低下など、CRCの概念を採用しており、グループとして、焙煎についてこれまで以上に一貫した実践的な会話をしています。
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私がCRCを書いたとき、私は約100台の焙煎機を使用していました。この記事を書いている時点で、私は 300 台(*)をはるかに超えるマシンを使用し、さらに数百台の焙煎データを分析しました。その幅広い経験が、ほんの一握りの機械を使用しただけでは不可能だった焙煎に関する高度なアイデアを形成するのに役立ちました。この本は私の経験の産物であり、私が学んだことをあなたと共有することで、あなたの焙煎スキルが役立つことを願っています。」
Roast magazine
アメリカには他に焙煎専門雑誌「ローストマガジン」があります。季刊誌として年4回発行されていて当店では約5年分ストックしてます。珈琲農園や豆、焙煎など各号ごとに書かれているほか、珈琲機材の広告が入ります。焙煎機なども日本では見かけない機材があるので楽しいです。同じ出版社からの「The BOOK of ROAST」は焙煎機の中世の歴史なども紹介されています。
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コーヒーがいつ頃焙煎されたのかはわかりませんが、その光景は容易に想像できます。火に炙った石の皿の上で珈琲生豆がカラメルになるにつれて茶色に変わり、豆がパチパチと弾けると、ふわっと香ばしい香りが漂ってきます。そこにはたくさんの好奇心旺盛な人たちが集まってきたことでしょう。
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このように初期の焙煎は火の上の単純な容器から始まりました。時代を超えて、コーヒー愛好家は豆を焙煎する新しいより効率的な方法を発明し続けてきました。そして焙煎機は、産業時代の革新的なデザインに取って代わられました。
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今日、焙煎会社は完全に自動化された機械を使用しておりますが、1世紀前からもコーヒーを飲む人の頭を悩ませていたことでしょう。私たちは、コーヒー豆を一貫してより高品質に焙煎するという単純なプロセスを達成するために、洗練されたコンピューター制御の機械を発明し、作成しました。
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珈琲焙煎の開発がどのように展開されたかを発見し、焙煎の歴史におけるマイルストーンを特定し、製造業者が市場の要求にどのように反応したかを調べてみましょう。焙煎機の歴史を詳しく見てみると、過去と現在の両方で、最適な焙煎プロセスの探求にどれだけの専門知識と独創的な才能が注がれてきたかがわかります。
その他、一般に入手することができない珈琲資料↓。