🧪 「KCl塩化カリウム」とは?
**KCl塩化カリウム=ポタジウム(カリウム)**は、抽出時に意外と重要な“味の裏方”として働いています。地味だけど、コーヒーの「まろやかさ」や「苦味の調整」に関わってきます。
- カリウム(K⁺)と塩素(Cl⁻)の化合物
- 水に溶けて完全に電離し、K⁺イオンとして作用します
- 天然のミネラルウォーターや、焙煎豆のミネラル成分にも微量含まれます
☕ カリウム(K⁺)がコーヒーに与える主な影響
項目 | 影響内容 |
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① 味のまろやかさ | ナトリウム(Na⁺)ほど塩味を強調せず、苦味を和らげる |
② 電気伝導率の上昇 | TDSやEC値が高くなる要因になり、抽出効率にも関与 |
③ pHの微調整 | 酸性側にわずかに傾けることがあり、酸の輪郭を丸く感じさせる |
🔍 味わいの具体例(焙煎や抽出での違い)
シチュエーション | K⁺の作用 |
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硬水で抽出(Mg²⁺+K⁺) | 酸がやわらかく丸く感じる |
軟水でKCl添加(人工ミネラル水など) | ナトリウムよりも自然な塩味感、雑味が少ない |
焙煎豆の表面にK⁺が多い(中深〜深煎り) | コクのある苦味、角の取れた余韻 |
🔥 焙煎によるK⁺の動き
- カリウムは揮発しないので、焙煎後も豆に残る
- 焙煎が進むと細胞壁が壊れてK⁺が抽出されやすくなる
- 深煎りのコーヒーで抽出液のTDSが高くなる一因
💡 ポイント
- 「**K⁺は苦味をやさしくしてくれる“味の中和剤”**のような存在です」
- 「軟水でもKClをうまく使えば、味の芯を持たせることができます」
- 「Mg²⁺が“シャープさ”なら、K⁺は“まろやかさ”担当です」