2025年05月06日 04:39最新の情報です

水の硬度とアルカリ性

水の硬度とアルカリ性

「**水の硬度とアルカリ性(pH)**がコーヒー抽出にどう影響するか」について、焙煎度を「サンプルロースト(浅煎り)」を想定して解説します。

☕【前提】サンプルローストとは?

  • 焙煎度:(Agtron値W63/G80-84)
  • 特徴:
    • 酸味が強く、豆本来のキャラクターがよく出る
    • クロロゲン酸・キナ酸などの酸性成分が多く残る
    • 焦げ・カラメル系の苦味成分はまだ形成されていない

💧【水の硬度】とは?

  • 水に含まれる**Ca²⁺(カルシウム)Mg²⁺(マグネシウム)**の量を換算した値
  • 多いほど「硬水」、少ないと「軟水
区分 硬度(mg/L) 一般的な味の印象
軟水 ~60 スッキリ・優しい
中硬水 60~120 バランスが良くなりやすい
硬水 120以上 ミネラル感が強く、味が濃く出やすい

⚖️【水のpH(アルカリ性)】とは?

  • 水の酸性 or アルカリ性を表す指標(中性=7.0)
  • コーヒーは基本的に「酸性飲料(pH4.5~5.0)」
pH値 特徴
pH 6.5以下 酸性寄り → 酸味が強く感じやすい
pH 7.0 中性
pH 7.5以上 アルカリ寄り → 酸味が和らぎ、苦味やコクが出やすい

🔍 では、サンプルローストで比較してみましょう!

条件 抽出された味の印象(浅煎り前提)
軟水(低硬度)× やや酸性(pH6.5) 明るい酸味が出るが、ボディが弱く、シャープになりすぎることも
中硬水(Ca+Mgバランス良)× 中性 酸味・甘味・ボディのバランスがよく、豆の個性が一番出やすい
硬水(高Mg)× ややアルカリ(pH7.5) 酸味が抑えられ、コクや甘味が強調。やや丸みのある仕上がりに
硬水(Ca過多)× アルカリ性強い 酸が抑えられすぎ、苦味やミネラル感が前に出て雑味が出る可能性も

☕💡 コツと実践のヒント

  • サンプルローストの酸味を活かしたい → 軟水+中性寄り
  • 酸味が立ちすぎてツンとする → Mgを含む中硬水+弱アルカリ性
  • カッピング時に**“青っぽさ”や渋味**を感じたら、pHを中和方向に微調整

🔬 ポイント

  • 「**硬度は“味の抽出力”、pHは“味の輪郭”**を調整する」
  • 硬度は音量、pHはイコライザーのようなものです
  • 「同じ豆でも水の硬度・pHで“フルーティ”にも“まろやか”にもなる!」
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