小さな活版印刷機ローラーベアリング化

小さな活版印刷機改造

学研大人の科学付録「小さな活版印刷機」改造化第二弾です。回らないローラーに不満を感じている人も多いかと思います。そこでローラーをベアリング化することを思いつきました。ベアリングとは、ひと昔前に流行ったハンドスピナーの中に入っている部品のことで中に小さい玉がいっぱい入っていてコロコロ転がってくれます。ベアリングを使うことによって驚くほど滑らかな回転性能が手に入るはずです。

用意する材料はいづれも東急ハンズなどホームセンターで入手可能です。12mm外径1mmtアルミパイプ、6mm外径の鉄軸、内径6mm外径10mmのマイクロベアリング2個、6mm内径アルミストッパー2個、その他板鉛を用意↓。
小さな活版印刷機改造

6mm外径の鉄軸をセットしたところ。これは真鍮でも銅でもステンレスでも良いですが鉄が最適。アルミだと軽すぎるので不適↓。
小さな活版印刷機改造

パーツを仮組みしたところ↓。
小さな活版印刷機改造

仮にセットしたところ。しかしこのままでは赤丸部分のアルミストッパー部品が厚みがありすぎるため本体アーム可動部分に干渉して動かなくなってしまいます↓。
小さな活版印刷機改造

干渉回避のためアルミストッパーは可能な限り薄くなるようヤスリで削ります↓。
小さな活版印刷機改造

イモネジ部分際極限まで薄く削ったストッパー↓。
小さな活版印刷機改造

これが問題の可動干渉部分です。ここまで削ってようやく干渉しなくなりました。0.1ミリ単位の加工精度が要求されます↓。
小さな活版印刷機改造


金属部品カット寸法(精度は重要)

軸やローラーは正確に切らないと駄目です。1ミリでも狂うと動きに影響が出ますので繊細な工作が必要となります。最初適当に作業して失敗しました。導き出した寸法は軸長123mm、アルミローラー長99mm、軸内部には板鉛を巻き、ベアリングが埋没するのを防ぐのと同時にローラー全体の重量アップ。参考までに以下に寸法を記します↓。
小さな活版印刷機改造

完成したマイクロベアリング入りのローラー軸。ストッパーは4ミリ幅まで削ってます。計画通りスムーズに回転してくれます。そして金属はやっぱりいい。オリジナルのプラ製軸に比べてまるで別物です↓。
小さな活版印刷機改造

ローラー軸をセットしたところ。鉛を内蔵しているため適度な重量感もありアルミむき出しのこのままでもスムーズに転がります。前回の記事で書いたバネの強化は必要なくなりました。また、アルミ表面には薄ゴムを貼りますのでインク伸ばし用途としては完璧な仕事をしてくれるはずです↓。
小さな活版印刷機改造

ローラーのアルミ表面に両面テープで薄ゴム(0.5mm厚)を貼って完成。さらに滑らかに回転するようになりだいぶ本物に近づきました。本物はインク伸ばし盤は金属ですしローラーは重量感のあるゴムですのでいくらおもちゃとはいえこのあたりだけでも多少値段は高くなっても良いのでしっかり作って欲しかったです↓。
小さな活版印刷機改造

ゴムは貼ってませんが動いている様子は動画でどうぞ。オリジナルに比べて相当安定した回転になっているのがわかると思います!

ベアリングや軸、アルミパイプなどのパーツ類はいずれも2-300円で買えますが、金属を切ったり、削ったりするには工具が必要です。

前回の改造で使った材料、鉛台座(81mmx111mmx10mm厚)は2,000円位、銅板(100mmx10mmx3mm)は1,200円位、鉄板は300円程度です。

完成した実物は店舗に飾ってあります。結局本体の金額以上の材料費がかかってしまいましたが実際操作してみると違いがわかります。改造に興味のある方はぜひいらしてくださいね。店主がいればコツとか共有できるかもしれません。

活版の大変さ、インクの後始末の大変さ、ある程度の操作方法と構造が理解できた方、希望があればアダナのテキンを使ったワークショップも随時開催中!

小さな活版印刷機改造

大人の科学「小さな活版印刷機」

学研の大人の科学の付録「小さな活版印刷機」を買いました。当初ネットで買おうとしましたがどこも売り切れということで諦めていましたが発売日に近所の本屋で普通に買えました。早速箱を開けたところプラモデル的な感じでした。ちなみに学研の商品を手にするのは小学校の頃の科学と学習以来何十年ぶりかです↓。
大人の科学「小さな活版印刷機」

組み立ては簡単で30分ほどで完了。本物のADANAの活版機と並べるとわかりますがかなり小さい↓。 大人の科学「小さな活版印刷機」

試し刷りしてみましたがやはり本物には敵わず満足な仕上がりは得られませんでした。まず素材がプラスチックで軽すぎるため活版に最低限必要な印圧がかけられませんしインクローラーの辺りが本物に比べてお粗末。また軽すぎるため印刷するとき手で抑えなくてはならず残念な感じです。付録だし値段的なことも考えると、「活版というのはこんなに大変なんだよ」というのを流行りだのなんだのでカッパンカッパンと騒ぐ人向けの啓蒙品として捉えると納得がいきます。


少しでも使えるようにするため改造することにしました。主な改造点は3点です。

1)重量の改造
2)印圧に影響を及ぼすチェース(版部分)の改造
3)インクローラー版の改造

 

まずは(1)の重量です。見た目だけでも重そうな雰囲気を目指し、「塗るだけで金属のような質感」に仕上がる塗料で塗りました。ご覧の通りチープだったプラスチックがまるで本物の鉄のよう↓。大人の科学「小さな活版印刷機」

重厚感は見た目だけにとどまりません。厚さ10mmの鉛に台座を用意。ドリルで螺子孔をあけました↓。
大人の科学「小さな活版印刷機」

四隅を台座に螺子止め。鉄風塗料の見た目の重量感も合間ってこれだけでもずっしり重く高級感も出てきました↓。
大人の科学「小さな活版印刷機」

次に(2)の、印圧をかけるためチェース部分は3mm厚の銅板で作ることにしました。最終的にはレーザー彫刻機で版を作ります。レーザー機用のシリコン版と合わせてちょうど5.5mmの高さになる計算です↓。
大人の科学「小さな活版印刷機」

丸ノコで銅板をカット。小さいので結構大変でした↓。
大人の科学「小さな活版印刷機」

(3)のインクローラー板部分は1mm厚鉄板で作ります。これも丸ノコでカット。店舗を大工工事した時の工具ですが大活躍で、木材でも金属でもバリバリ切れます↓。
大人の科学「小さな活版印刷機」

角のバリをヤスリで削って表面をサンドペーパーで研磨↓。
大人の科学「小さな活版印刷機」

コンパウンドで仕上げ研磨↓。
大人の科学「小さな活版印刷機」

チェース部分とインクローラー台にセットして完成。ローラー台の鉄板の角は時間をかけて丁寧に丸く削ります。またローラーが下から上がってくる時に妨げにならないよう斜め45度に滑らかに仕上げなければなりません。ここまで削るには割と根気がいるでしょう↓。
大人の科学「小さな活版印刷機」

ローラー部分は鉄板の上でインクを伸ばしてくれる予定ですが根本的に小さいのとバネが弱いのか思うようなローラーの滑らかさは得られませんでした。さらなる改造が必要か?↓。
大人の科学「小さな活版印刷機」

重量は1587gですから1.5KGオーバー!ものすごい重量感で高級1眼レフよりも重い↓。
大人の科学「小さな活版印刷機」

オリジナルの状態に比べるとまるで別物。この純銅の輝きと鉄のローラー版、そして鉄風塗料。高級感溢れるミニ活版機の誕生です↓。
大人の科学「小さな活版印刷機」

本物の活版機と銅板印刷機に挟まれてディスプレイ。印刷機もカメラも金属製品ですのでこれでようやく釣り合いが取れた気がします↓。
大人の科学「小さな活版印刷機」

12/19:ベアリング化に続く