天然氷のかき氷

7月某日、天然氷の蔵元へ伺いました。現在店では純氷を使用していますが、いずれ天然氷でも削ってみたいという思いがありまして。

天然氷「八義」の氷旗
伺ったのは山梨の北斗市にある八義さん。事前に蔵元創業時の記事を読んで下調べをしたり、現在日本で入手できるかき氷に関する書物は全て目を通した上、仕事の邪魔にならないようアポイントとってから訪問しました。

八ヶ岳付近の名水
看板もなく、カーナビも当てにならなかったのですが勘で行き着くことができました。9割の人はたどり着けないとのことでしたが北杜市、八ヶ岳界隈は昔からよく行ってるので土地勘がありました。

八義は創業は五年ほどと新しいのですが天然氷作りの昔ながらの伝統技術を継承しています。昭和初期には日本で100軒ほどあったと云われる天然氷の蔵元は2018年現在7軒(うち出荷可能なのは5軒)という希少性。天然氷の蔵元として保健所の認可が降りたのは実に43年ぶりとのこと。

天然氷
貯蔵庫の天然氷。天然氷は美味しく水質の良い天然水を使い冬の自然の厳しい寒さを利用して自然に凍る氷です。冬に凍らせた天然の氷は夏場の今は断熱材付きの大きな貯蔵蔵の中でおがくずに包まれて積まれています。積雪の少ない寒冷な気候を利用して丁寧に作られます。1時間ほど話をうかがいましたがその手間は想像以上に大変なものだと思いました。

水の美味しさは硬度によって決まると云われ、硬度とは水の中に含まれるミネラルのうち、カルシウムとマグネシウムの含有量を示すもので硬度が低いほど口当たりが良くてクセのない、美味しい水となるそうです。八義のある八ヶ岳南麓地区は名水百選「八ヶ岳南麓高原湧水群」と云われ、「三分一湧水」「大滝湧水」など多くの湧水があり、日本一の名水の里と云われています。その地下約100mから汲み上げた地下水を凍らせたのが八義の天然氷なのです。

八義の天然氷池
夏場の天然氷の池。コンクリート作りでないと保健所の許可がおりないとのこと。この池に地下水を溜めて冬場凍らせます。コンクリートは氷の膨張で割れてしまうため都度修復するそうです。

天然氷をカット
大きな氷の塊から切り出すベルトソー。冷凍マグロの解体に使われるという巨大で強力なノコギリ。これの小さい木、鉄工用のは当店でも持っています。

カットされた天然氷
かき氷用の半貫目に切り出された天然氷。その透明感はまるでダイヤモンドのように美しい。

甲斐犬
蔵元では甲斐犬を2頭飼ってました。冬場に氷池の鹿よけとして活躍するそうです。狩猟犬なので飼い主以外には慣れない犬種なのかなと思っていましたが八義さんの2頭はおとなしく初対面の私たちにも吠えることなく慣れていました。

というわけで貴重な天然氷を分けていただけることになりましたので7月のどこかのタイミングで天然氷を使ったかき氷メニューを出す予定です。

この記事を書くにあたって次のサイトなども参考にさせていただきました。

八義のホームページ

この手で運をつかみ取る 天然氷のかき氷戦士 高橋 秀治 PART-1

知識ゼロから天然氷職人に 破産経営者、再起の道


阿佐ヶ谷「ザグリ」の地図